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欧州委員会、NvidiaによるArm買収計画について「詳細な調査」を開始

EUはこの買収が「Arm社のIPへのアクセスを制限または低下させる」可能性があると指摘

欧州委員会は、Nvidiaが提案しているチップ設計ベンダーArmの買収について、EU企業結合規則に基づく詳細な調査を開始しました。

2020年9月に初めて提案されたこの買収は、英国、米国、中国の規制当局からも調査を受けています。

ECのマルグレーテ・ベスタガー副委員長は「半導体は、私たちが毎日使っている製品や機器、そしてデータセンターなどのインフラに至るまで、あらゆるところに存在しています。

「ArmとNvidiaは直接競合していませんが、ArmのIPは、データセンター、自動車、IoTなど、Nvidia社と競合する製品の重要なインプットとなっています。

「我々の分析によるとNvidiaによるArmの買収は、Arm社のIPへのアクセスを制限または低下させ、半導体が使用されている多くの市場に歪んだ影響を与える可能性があります。我々の調査は欧州で活動する企業が、最先端の半導体製品を競争力のある価格で生産するために必要な技術への効果的なアクセスを継続できるようにすることを目的としています」と述べています。

Arm はベンダーニュートラルなライセンサーとして、自社のチップデザインやアーキテクチャを、Nvidiaを含む多くの企業に販売しています。欧州委員会は、「合併した企業は、異なる応用分野のプロセッサ製品の供給市場における競争を低下させる可能性のある、そのような差し押さえ戦略に従事する経済的インセンティブも持つことになります。」

また欧州委員会は、ライセンシーがNvidia社の支配下にある企業と商業上の機密情報を共有し続けることに抵抗を感じるかどうかについても検討しています。

さらにArm社 の研究開発費が、Nvidia社にとってより収益性の高い製品に再集中されるかどうかも懸念されています。

欧州委員会は現在、2022年3月15日までの90営業日で決定を下します。

8月には 英国の競争市場庁(Competition and Markets Authority : CMA) が、「Nvidiaの下流の活動に利益をもたらし、利益を増大させるために、ArmのIPへのアクセスを制限したり、関連製品間の相互運用性を損なったりすることで、合併企業がNvidiaのライバル企業の競争力を損なう能力と動機付けに関連して、重大な競争上の懸念がある」と述べています。

また、中国の規制当局もこの買収を阻止するリスクを抱えており、Google、マイクロソフト、Qualcommから競争を制限するとのクレームを受けた米国FTCも調査を開始しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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