Cyxteraが売却を検討中との報道
コロケーション事業者のCyxtera Technologies Inc.が、上場から1年足らずで売却を検討していると報じられています。
この件に詳しい関係者からの情報によると、昨年、ブランクチェックカンパニー(白地小切手会社)のStarboard Value Acquisition Corp.(SVAC)と合併したCyxteraが、アドバイザーの協力を得て、売却を含む戦略的選択肢を探っているようだと、Bloombergは報道しています。
Cyxteraの担当者はコメント要請には応じませんでした。
特別目的買収会社(SPAC)は、証券取引所に上場した後、事業活動中の民間企業を買収または合併する「ブランクチェック」型のペーパー・カンパニーのことです。これによる株式市場上場へのルートは、従来のIPO(新規株式公開)よりも迅速かつ少ないステップで行われることが多いと言われます。
ヘッジファンドのスターボード・バリュー社(Starboard Value)が設立した SPACであるSVAC社は、2020年9月にIPOを行い、3億6千万ドルを調達しました。同社はテクノロジー、ヘルスケア、コンシューマー、インダストリアル、ホスピタリティ、エンターテインメントのいずれかの分野の企業との合併を目的として設立されました。
Cyxteraは2021年2月にナスダック上場のSVACと31億ドルで合併すると発表し、2021年夏に合併が完了しました。
Cyxteraは現在、全世界の22の市場で合計245MW、60か所を超える施設を運営しており、米国コロラド州とバージニア州の2か所でデータセンター施設を所有し、残りのポートフォリオについてはリースをしています。
先月発表された2021年第4四半期の業績について、Cyxteraは570万ドル増の1億7840万ドルの総収益を計上しました。第4四半期の純損失は6560万ドル、調整後EBITDAは4800万ドルでした。通期の総収益は1,320万ドル増加し、7億370万ドルとなりました。通期の純損益は2億5,790万ドル、調整後EBITDAは2億2,440万ドルでした。
2022年の収益については7億3000万から7億6000万ドル、調整後EBITDAは2億3500万~2億5300万ドルを同社は予測しています。また拡張資本は2021年の6,700万ドルに対し、1億200万から1億2,700万ドル程度になると予測しています。米国証券取引委員会(SEC)への提出書類では、少なくとも2025年までは純利益がプラスになる見込みはないと記されています。
昨年上場したばかりにもかかわらず、売却や合併になるようであれば、データセンター関連の最新の大規模案件になるでしょう。QTS、CoreSite、CyrusOneは昨年、それぞれBlackstone、American Tower、KKR/GIPによって数十億ドル規模で買収され、株式非公開化されました。
また、Global SwitchとSwitch Inc.両社も、おそらく数字10桁台での売却を検討していると報じられています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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