コロケーション大手の2021Q4業績:デジタル・リアルティ、エクイニクス、サイラスワン

多くの大手コロケーションREITは好調を維持

最新の2021年第4四半期業績発表で、多くの大手コロケーション企業が好調な決算を発表しました。

デジタル・リアルティは、収益が前四半期比でわずかに減少したものの、第4四半期の収益は10億ドルを超え、好調な1年を終えました。

エクイニクスは、四半期ごとに成長を続ける中、業績発表の中で17件の新規開発案件の発表を行いました。

サイラスワンは、株式非公開化前の最後の決算として、合併に伴うコストとヨーロッパでの経費もあり、わずかな純損失を計上しました。

Cyxtera、Switch、Iron Mountainについては今後数日のうちに業績を発表する予定となっています。

デジタル・リアルティ:Q3より減少も、2020年Q4比では増加

2021年第4四半期、デジタル・リアルティは収益11億ドル、調整後EBITDA5億8400万ドルを計上しました。これらは前四半期より減少しましたが、2020年第4四半期に対してはわずかに増加となりました。

「デジタル・リアルティは、第4四半期および通年で記録的なブッキングを達成し、2021年には全世界で5億ドル超の新規取引を行い、当社のグローバルな価値提案の強さを実証した」デジタル・リアルティのA・ウィリアム・スタインCEOはこのように述べています。「データセンター・ソリューションに対する需要は引き続き堅調であり、当社は有機的かつ戦略的な投資を行い、グローバル・プラットフォームを拡大し、そして世界中の顧客がデジタルトランスフォーメーション戦略を実行するために必要な容量とコミュニティを提供していく」

デジタル・リアルティはまた、当四半期中に、年換算 GAAP レンタル収入 1 億 5100 万ドルに相当する更新リースに調印しました。( 1MW以上の案件で9,660万ドル、その4分の3以上がEMEAでの案件)

CFO のアンディ・パワー氏は、「契約から開始までの期間が約14ヶ月と異常に長く、これは主に欧州・中東・アフリカ地域の直近の開発案件における長期リースに起因するもので、在庫が着実に減少していることを背景に、顧客が長期成長のための手段を確保するための努力を加速させている」とコメントし ています。

同社は当四半期、バージニア州北部の16エーカーの土地を約2300万米ドルで取得したと発表しました。一方子会社の Medallion はナイジェリアのラゴスで 2 区画の土地を取得し、デジタル・リアル ティはこの購入価格のうち約 2200 万ドルを負担しました。

また、同社が以前発表した AtlasEdge への投資額については、2195 万ドルであったと見られています。

同社の2021年のCAPEX(設備投資額)は約22億ドルであったとパワー氏はこっメントしています。

エクイニクス:17件のプロジェクトを発表

コロケーション大手のエクイニクスは、2021年の年間収益は66億3600万ドル、営業利益11億800万ドル、調整後EBITDA31億4400万ドルを発表しました。

エクイニクスの社長兼CEOであるチャールズ・マイヤーズ氏は、「2021年に76四半期連続のトップライン成長を達成する一方で、エクイニクスはデータセンター事業の拡張と変革、そして物理インフラをソフトウェアスピードで実現するためのデジタルサービスポートフォリオの加速において大きな進展を遂げた」と述べています。

第4四半期では、収益17億ドル、営業利益2億4970万ドル、調整後EBITDA7億8750万ドルを発表しています。

同社は、ボルドー、カルガリー、ドバイ、フランクフルト、カムループス、ロサンゼルス、大阪、パリ、サララ、シンガポール、ソフィア、サンパウロ、トロント、ワシントンDC都市圏と17件のプロジェクトを展開してきたと発表しました。

また、買収統合に関連する費用は1,500万ドルで、2022年には2,000万ドルを見込んでいるとしています。

ハイパースケール系のxScale施設については、第4四半期にサンパウロ5xの7MWとフランクフルト11xの12MWをリースし、また、EMEA 2 JVからマドリッド3xの一部をリテールIBXマドリッド6としてリースしています。

シドニー9xは今四半期中に、一方ロンドン11x-2とサンパウロ5x(いずれも第4四半期)マドリード3x-1とフランクフルト9x-2(いずれも第3四半期)、さらにフランクフルト11x-1、ダブリン5x-1、大阪2x、メキシコシティ3x-1(いずれも第2四半期)は今年中にオンラインになる予定です。

当四半期、エクイニクスはジェノバ、ミュンヘン、パースにIBXデータセンターを開設し、また大阪にxScale施設を開設しました。また、フィンランドのヘルシンキにあったHE1施設を閉鎖しました。また、ダブリンとイスタンブールで開発用地を購入したと発表しました。

サイラスワン:最終決算で純損失を計上

KKRとGIPに買収されたことを受けて、おそらく最後の決算報告となるであろうサイラスワンは、3億1840万ドルの四半期収益と700万ドルの純損失を計上しました。第4四半期の調整後EBITDAは1億4,840万ドルでした。

同社は第4四半期に101MW、530,000コロケーション平方フィート(以下CSF)をリースし、GAAPベースの年間収益は1億430万ドルと、いずれも同社の四半期記録となりました。

この純損失には、保留となっている合併に伴う取引、買収、統合、その他の関連費用として2090万ドルが含まれているとしています。さらに、2021年第4四半期の一般管理費には、フランクフルト、ロンドン、パリで、ゼネコンの倒産に伴う下請け業者との和解に関連する損失580万ドルが含まれていると述べています。

サイラスワンの暫定社長兼最高経営責任者のデビッド・ファードマン氏は次のように述べています。「2021年は、主に米国市場全体のハイパースケール顧客による需要主導で、会社史上最も好調なリースを記録した四半期で幕を閉じ、四半期末のバックログが年換算で1億7500万ドルを超え、継続的成長への態勢が整った。また、資本再活用イニシアティブを実行し、米国と欧州の多様なハイパースケール向け・企業向け需要を持つ中核市場において、資本を付加価値の高い開発に再投入することでポートフォリオをさらに最適化できることをうれしく思う」

第4四半期には、バージニア州北部と英国ロンドンで、48,000CSFと9MWの電力容量を竣工しました。

また、直近ではテキサス州ダラスの本社ビルで再生可能エネルギー100%を達成し、サイラスワンの既存の”ネットウォーターポジティブ”施設ポートフォリオに同サイトを追加したと発表しています。これは同社にとって、再生可能エネルギー100%とネットウォーターポジティブを両立させた初の拠点となります。

Corporate Office Properties Trust:すべてのシェルはリース済み

オフィス&データセンターREITのCorporate Office Properties Trust(COPT)の最新決算は、収益1億8500万ドル、純利益1496万ドルでした。

先日、マナサスデータセンターをCloudHQのCloud Capitalに売却したことについて、CEOのStephen Budorick氏は決算説明会で、「DC6のリサイクルは数年前から会社の高い優先事項であった 」と述べていました。

COPTは7棟の連結されたデータセンターシェル(157万平方フィート)と、Blackstoneとの非連結ジョイントベンチャーによる19棟(318万平方フィート)を所有しています。そしてすべては100%リース済みです。

同社は、バージニア州にあるデータセンター2棟(合計432,000平方フィート)の90%の株式を1億700万ドルで売却し、フォートミード地域のデータセンター1棟を閉鎖しました。

同社はまた、バージニア州ラウドン郡で、265,000平方フィートのデータセンターシェルを「クラウド競合顧客」向けにビルド・トゥ・スーツ(BTS)で構築したと説明しました。同社は2022年中には、70万平方フィートを構築する計画を立てており、そのうち約1/3はクラウド系顧客向けのビルド・トゥ・スーツ型データセンターのシェルとなる予定となっています。

同社は合計で約43エーカーの土地を将来のデータセンター開発用として確保し、合計で約913,000平方フィート相当の建築スペースを確保しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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