ゴールドマンサックス、DCビルダーGlobal Computeを設立
ポーランドを皮切りに、世界中で施設の建設や買収を計画
ゴールドマンサックスのマーチャント・バンキング部門(MBD)は、上級のデータセンター管理チームの採用とともに5億ドルの投資を行い、好況なデータセンターインフラ産業に参入します。その最初の投資は、ポーランドのデータセンター事業、ATM社に対して行われます。
Global Computeは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋、中南米地域でデータセンターの構築と取得を行います。ゴールドマンサックスは、そのWest Street Infrastructure Partners IIIファンドからの出資を受けることで、約15億ドル規模の買収や開発が可能となります。新会社はDigital Realtyの共同創設者であるScott Peterson氏をはじめ、他数人のDigital Realty元幹部らが主導します。
Global Computeの設立は、GI Partners、Stonepeak、KKRなどの投資会社がここ数か月で立ち上げた新ベンチャーと同様の動きとなります。
不動産にかみつく
CEOのScott Peterson氏は、2004年の創業以来、Digital Realtyで投資を主導してきました。これは、世界最大のデータセンタービルダーとなった14年間の中で、約170億ドルの取引に相当します。 そして2018年5月にPeterson氏は会社を去りました。COOのChristopher Kenney氏も、Digitial Realtyの共同創業者であり、2019年7月まで勤務していました。
また、以前にDigitial Realty EMEAの上級管理職を務めていたStephen Taylor氏はヨーロッパ地域でGlobal Computeを主導します。
同社の最初の買収は、ポーランドのATM S.A.のデータセンター事業と通信インフラストラクチャ事業となります。Global Computeは、MCICapitalとMezzanineManagementが管理するファンドのコンソーシアムからATMを買収します。Atmanブランドとして、ATMはポーランド国内で合計42MW規模となる3棟のデータセンター(ワルシャワのWAW-1とWAW-2、及びカトヴィツェのKTW-1)を運営しています。Global Computeの発表によると、この買収に基づき、ポーランドおよび中央ヨーロッパ全体で高まるニーズに対応できるようになるとしています。
「ゴールドマンサックスは、データインフラストラクチャ分野でグローバルな投資機会を追求する我々にとって完璧なパートナーである」とPeterson 氏はリリースで述べています。「ATM S.A.への初期投資は、このコラボレーションの理想的な実例だ。我々は、世界中のお客様にクリエイティブなソリューション提供を実現するゴールドマンサックスとのパートナーシップに非常に熱心である」
今年は、ホールセールデータセンターへの大規模投資が相次ぎました。5月、KKRは、シリアルアントレプレナー(連続起業家)のFranek Sodzawiczny氏の下、10億ドルを投資してGlobal Technical Realtyを設立しました。8月には、Stonepeakも10億ドルを投入し、日本を皮切りに新たなAPAC向けデータセンタービルダーのDigital Edgeを設立しました。一方、エクイニクスも、GICからの10億ドルの資金援助を受け、4月に日本でハイパースケール事業者を設立しました。これは、2019年10月に発表された両社のヨーロッパでの合弁事業に続く動きです。
Data Center Dynamics
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