先週、米国/カナダで起きた十数件以上のデータセンター爆破予告デマ
先週オハイオ州で起きたデータセンター爆破予告は、同日に起きた一連の爆破予告のうちの1つだった
先週、米国内のデータセンターに対して、爆破予告電話やメールのデマが相次いで発生しました。
先々週に、オハイオ州コロンバスのN.5th Streetにあるデータセンターで起きた爆破予告のデマについて報道しました。この施設(非公開)は、「データセンター内に3つの爆弾を置いた、身代金を要求する」との脅迫電話を受け、スタッフは避難しました。その後警察が到着し調査が行われましたが、何も見つかりませんでした。
しかし、これは単独の事件ではなく、米国・カナダのデータセンターに対する一連の爆破予告デマの一部であったようです。電話やメールなど手法は様々でしたが、いずれも標的とする組織のデータセンターに対する爆破脅迫であり、身代金を払わないと爆破すると脅迫していたようです。
同日、オハイオ州ペインズビルのレイク郡保安官事務所にも同様の電話が入り、やはり「データセンターに爆弾を仕掛けた、5,000ドルの身代金を払わなければ爆破する」といった内容であったようです。その後、ゲオガ郡保安官事務所は、爆弾探知を専門とする警察犬(K-9)部隊を派遣して捜索を行いましたが、何も見つかりませんでした。
同日、ローリーにあるノースカロライナ州立大学にも、再び大学のデータセンターに対する脅迫の電話が入りました。大学警察は、ポグ通りからガードナー通りまでのヒルズボロ通りの一部を一時閉鎖しましたが、他の事例と同様何も発見されず、脅威の信憑性はないと判断されました。
イリノイ州のロックフォード大学情報技術センターとその周辺の建物でも、同日避難が行われました。その結果、一部の授業が休止されましたが、やはり何も見つかりませんでした。また、フロリダ州マイアミにあるAT&Tのコールセンターでも避難が行われ、爆弾処理班が捜索しました。
一方ウィスコンシン州グリーンフィールドでは、電気通信サービスを提供する市営電力会社であるGreenfield Community Energy and Technology(GCET)の建物にも脅迫状が届き、避難後に警察と消防が捜索を行いました。
ダン・マッカーシー警部補は、グリーンフィールド市の脅迫状は電子メールで届いたが、それは一般的な内容であり、大量の同報メールである可能性が高いとRecorderに対し語っています。マッカーシー氏によると、これ以外にも「マサチューセッツ州、国中、さらにはカナダ」の複数機関がこの脅迫を受けており、ボストン、ローウェル、ブランダイス大学の機関が他の脅迫で州の爆弾処理班を拘束していたため、グリーンフィールドの警察と消防が対応したと話しています。
The North American Network Operators’ Group (NANOG)のディスカッション・スレッドでは、米国内全体にわたり更に多くの同様の事件が発生していたと示唆していますが、すべての事業者が地元警察に連絡したわけではありません。
ペンシルバニア州のISPのRiver Valley Internet社のCEOであるマット・ホップス氏は、「我々を含めた複数の事業者から、5,000ドル支払わないと “データセンターを爆破する “といった脅迫メールが届いたという話を聞いた」と述べています。ホップス氏によると、他にも少なくとも6か所のデータセンターが狙われたと聞いており、犯人がWHOIS情報をスクレイピングして、電話番号やメールアドレスを狙った可能性もあるとしています。
スレッド上ではミズーリ州のFlorida High-Speed Internet社とNet Vision Communications社も同様の脅迫を受けたとしています。更に、カナダ・オンタリオ州のKitchener とWaterloo の2社も、脅迫を受けて警察に通報しました。ホスティング会社のFranTech社は、爆破予告をFBIのラスベガス支局に連絡したと話しています。
このような爆破予告は、最近の他の事件に照らし合わせても軽視できません。今月初め、セス・アーロン・ペンドリー容疑者が、バージニア州北部のAWSデータセンターの爆破を企てた罪で10年の刑に処せられました。また2020年のクリスマスにナッシュビルで起きた自爆テロでは、AT&T施設が爆破されましたが、これは特に通信事業者を狙ったものではなかったようです。また、3月には白人至上主義者や陰謀論者が重要なインフラであるセルタワーを標的にした事件があり、”恐怖を煽り、重要サービスを妨害し、米国内外に経済的損害を与えている “とニューヨーク市警は警告を発しています。ギリシャでも今月、アテネにある政府データセンターに無政府主義者が監視に抗議してガソリン爆弾を投げつけた事件もありました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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