Global Switchが110億ドルで売りに出されている模様
ブルームバーグによりますと、中国の江蘇沙鋼集団(Jiangsu Shagang Group)が、ロンドンを拠点とするデータセンター事業者Global Switchを約110億ドル(800万ポンド)で市場に売りに出しているようです。
江蘇沙鋼は、2016年から2019年までの間の段階的な買収でGlobal Switchを支配下におさめしましたが、香港証券取引所でのIPOに失敗しました。Global Switchは、ヨーロッパとAPAC地域に データセンター を13か所保有し、約40万平方メートルの ホワイトスペース を提供しています。ブルームバーグは、この話し合いは「予備的」なものであり、オーナーが事業者の維持を決定するかもしれないとしています。
作戦をスイッチ
Global Switchは1998年に設立され、2014年からはJohn Corcoran CEOが率いています。元の所有者であった億万長者のDavid及びSimon Reuben氏は、2016年に同社のほぼ半数をElegant Jubileeと呼ばれる江蘇沙鋼主導のコンソーシアムに売却し、その後コンソーシアムは2018年に過半数株式を獲得しました。 江蘇沙鋼自体は2019年に更に24%の追加取得を行いました。2020年11月、同社は深センを拠点とする江蘇沙鋼の部門に譲渡されました。
ブルームバーグは「匿名の情報筋」からこの売却の可能性についての情報を得ており、これは直近で買収した資産を売却した別の中国系企業と同じ動きであると見ています。この数ヶ月の間、海航集団(HNA Group)は技術ディストリビューターのIngram Microを売却しています。
一部の中国国有企業は、セキュリティ上の懸念により顧客を失っています。例えばオーストラリアでは、2020年9月までにすべての政府機関をGlobal Switchのシドニーキャンパスから退去するよう要求しました。尚、このデータセンターは、2020年11月に消火システムの問題にも見舞われ、その際少なくとも顧客一社のシステムが停止しました。
もし江蘇沙鋼による売却が成立すると、そこには強力な市場があります。2020年に掛けては、オンラインサービスへの依存度が高まり、現在のデータセンター建設ラッシュが続き、また記録的な買収活動が活発に行われました。Synergy Research Groupの12月のレポートでは、2020年のデータセンター分野における合併及び買収の総額は、2019年の総額の2倍を超える310億ドル近くに上ったとの報告がありました。
その中での最大の取引は、Digital RealtyによるInterxionの84億ドルでの買収でした。これは、2019年時点で成立した取引でしたが、2020年の第1四半期に完了しました。
尚、今回のブルームバーグの記事に対し、 Global Switchと江蘇沙鋼からのコメントはありません。
Data Center Dynamics
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