米財務省、インターネット通信事業者をロシア制裁の対象から除外
米国財務省は、インターネット通信サービスの提供を米国の対ロ制裁の対象から除外しました。
この動きは、人権団体やオープンアクセス団体から歓迎されました。
「米国から、または米国人からロシア連邦へ、直接または間接的に、インスタントメッセージ、ビデオ会議、チャット、電子メール、ソーシャルネットワーク、写真・動画・文書の共有、ウェブブラウジング、ブログ、ウェブホスティング、ドメイン名登録サービスなど、インターネット上の通信交換に付随するサービス、ソフトウェア、ハードウェア、技術の輸出または再輸出、販売、供給において、RuHSRで禁止されているものは、場所を問わず認可される」外国資産管理局のブラッドリー・T・スミス副局長は、このように語っています。
ただし、特定のロシアの金融機関との取引や、大統領令(E.O.)14066またはE.O.14068で禁止されている取引など、いくつかの例外があります。
インターネット上の通信交換サービスを提供する企業数社は現在、ロシアでの事業縮小や、完全に停止したりしています。
インターネット・バックボーン企業のCogentとLumenは、ロシアへのデータ転送を停止すると述べたが、後者の事業はまだ継続されているようです。
ロンドン・インターネット・エクスチェンジ(LINX)は、ロシアの通信会社であるMegafonとRostelecomとの接続を解除しました。
Cisco、Google、Microsoft、Oracle、Apple、Ericsson、PayPal、Mastercard、Visaの各社は、同国内での業務を停止しています。またAmazon Web Services(AWS)は、ロシアとベラルーシでの新規顧客の受け入れを停止しています。
しかし、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)、エッジ、ウェブインフラ企業のCloudflareとアカマイは今週、ロシア国民はインターネットへのアクセスを必要としていると主張し、ロシアでの事業を継続すると発表しました。
ウクライナ政府は、RIPE NCCやICANNなどの組織に対し、ロシアを世界のインターネットから切り離すための支援を求めていますが、人権団体は、自由な情報へのアクセスは、経済的被害よりも価値があると指摘しています。
「Access Now、Human Rights Watch、Electronic Frontier Foundation、Article 19、そしてロシア、ウクライナなどの50以上のグローバル、地域、地方の組織や個人が求めていたのはまさにこれだ」Access Nowの技術顧問ナタリア・クラピヴァ氏はこのように述べています。
「米国財務省の決定は、ロシアの独立メディア、人権擁護者、反戦抗議者らが、ウクライナへのロシアの侵略を報道し反対するために米国の技術に頼ってきた彼らの業務を継続させ、より安全な方法で通信し組織化させることを支援するものである」
クラピヴァ氏は以前、人権団体や独立系メディアを含むすべてのロシア系顧客へのサービスを停止したNamecheap、Slack、Mailchimpを批判していました。「今さら何を言い訳するんだ?」と彼女は話していました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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