インドのデータセンター業界、2023年までに容量を倍増へ。JLL調べ

インドのデータセンター業界は、デジタル化の加速、クラウド導入の増加、DC事業者の大規模成長計画を背景に、2023年までにキャパシティが倍増すると予想されています。

JLLの上半期データセンター市場動向(H1 2021 India Data Center Market Update)によると、デジタル化の加速により、企業はITインフラの規模拡大を余儀なくされています。デジタル化によるアップグレードの結果、インド全土でコロケーションやクラウド施設への強い需要が発生しています。

JLLのインド・データセンター・アドバイザリー部長兼ムンバイ・オフィスリーシング・アドバイザリー共同部長ラチット・モハンはこのように述べています。 「2020年にペースアップした需要の勢いは、衰えることなく成長を続けています。インドのデータセンター業界は、2021年上半期に46.4MWの吸収量を記録しましたが、これは同じ2021年上半期に追加された供給量の90%に相当し、吸収量が堅調に増加していることを示しています。」

データセンターの需要は、従業員の勤務場所分散によるデジタル利用の増加、データセキュリティへの懸念の高まり、業務の混乱などを背景に急速に拡大しています。

銀行・金融機関ではデジタル化の進展に対応するため、ハイブリッド型のサービスを導入しています。また、ユーザー数が急増している国産のビデオゲームプラットフォームも、データセンターの需要を促進しています。通信事業者による5Gの導入計画もデータ消費量の急激な増加が見込まれています。

殺到する投資

JLLのチーフエコノミスト兼リサーチ&REIS(インド)部門長サマンタック・ダス博士は次のように述べています。 「世界的な投資家やデータセンター事業者はこの半年の間に投資を拡大し、通信事業者との合弁事業を発表して拠点を設立しました。2023年までにデータセンターの容量は倍増し、1GWを超えると予想されています。

現在、データセンターの総容量の45%を占めるムンバイでは、現在から2023年までに267MWのデータセンターが増設される予定です。様々な州がデータセンター産業にインセンティブを与えているのは、技術革新の次のステップに参加したいからです。」

データセンター事業者はハイパースケーラーの長期的な要件を満たすために、大規模な土地取得戦略を採用しています。これらの事業者は、大規模な拡張に必要なアベイラビリティーゾーン、ファイバー経路、電力供給などの面で、入居者に柔軟性を提供します。

また需要の増加に対応するため、新たな海底ケーブルに投資して戦略的提携を行うプレーヤーもいます。投資家や世界のデータセンター事業者は、ここ半年の間にインド市場へのコミットメントを強化し、予想される需要に対応するために合弁事業を発表しています。

7月にはハイパースケールデータセンターYondr Groupが、Everstone Groupとのジョイントベンチャー提携により、10億ドルを投じてインドの複数の場所にデータセンターを開設することを発表しました。

同様に今年初め、ストレージ・情報管理サービス企業Iron Mountain社は、インドでの事業拡大のために、Web Werks社と合弁会社を設立する契約を締結しました。これには今後2年間で1億5000万ドルの投資が必要となります。

最近では、Adani Enterprises社がノイダに34,275平方メートルの土地を割り当てられ、約2,400億ルピーを投じてデータセンターを設立しました。

通信業界では5Gサービスの展開に向けて、3社のプロバイダーが実地試験を開始しています。また持続可能な社会の実現に向けて、グリーンエネルギー関連の提携も進んでいます。

W.Media (Venkatesh G記者)より抄訳・転載

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