企業があらゆるリソースをハイパースケールクラウドに移行しているわけではない ~Everestレポート
調査会社のEverest Groupのレポートによると、企業らがITリソースをパブリッククラウドに移行しつつあることもあり、ハイパースケールプロバイダーは急速に成長しているものの、非ハイパースケールプロバイダーもまだ何か特徴のあるサービスを提供するチャンスはあるとしています。
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このレポートによると、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Microsoft Azureの3社は、複合成長率が24%に達し、企業のIT投資をより多く獲得するだろうとしています。しかし、ユーザーは一方で、特定のプロバイダーに縛られることを嫌い、より小規模事業者が提供する独特なプライシングモデルを試してみたいとも考えているようです。これは、ユーザー自身のプライベートクラウドや従来型のインフラが重要であることには変わりがないからです。
プライベートクラウドは依然として重要
「90%以上の企業は、自社のエンタープライズ環境において、1つ以上のパブリッククラウドをすでに活用している」とレポートは説明し、「Covid-19は、企業のパブリッククラウドへの移行をさらに加速させ、ほとんどの企業はパンデミックの間も事業継続のメリットを享受している」と補足しています。
ハイパースケーラーは、今後も企業のIT投資を支配しようと計画しているが、フルスタッククラウドだけでなく、AIや機械学習など、より具体的なサービスに多様化させていく必要があるかもしれない、とレポートは述べています。それらはまた、従来型のモノリシックなサービスから、財務・技術面でのサポートや企業向け研修の提供へと進化しています。
このような状況にもかかわらず、企業はプライベートクラウド、マルチクラウド、従来型のインフラを使い続けているため、非ハイパースケーラーにもまだ事業チャンスはあります。
Everestによると、小規模事業者はオンプレミスでの導入を含め、より状況に応じた価格を提供することができるといいます。彼らは、ハイパースケーラーから「as-a-service」オプションが人気であることを学び、そして「ローカルクラウド」を提供して、クラウドの導入に消極的な企業を説得しています。
また、これらの事業者の中には、顧客が求める製品・サービスを実際に作っているところもあるとEverestは指摘しています。「インフラベンダーは革新的なサービスを提供しており、これはクラウドハイパースケーラーに対抗するためではなく、顧客のデジタルビジネス構築を支援する能力を示すためである」
これらの革新的なサービスの中には、エンタープライズグレードのセキュリティ、ワークロードに特化したコンピュート、包括的な管理、明朗会計など、大手企業のアプローチに欠けていた部分を補うものがあります。
彼らはまた、新しいITシステムを稼働させるためのコンサルティングも行ったりしています。「ITサービスプロバイダーはこのようなスキルセットを身につけているが、ハイパースケーラーは比較的、企業のIT環境についての理解が浅い」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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