Uptime調査レポート:IT負荷の大部分はエンタープライズデータセンターで発生

しかし、ハイブリッドインフラストラクチャと分散アプリケーション環境が進行しているため、リスクを回避する必要がある、とUptime Instituteは述べています。

クラウド 等のテクノロジによる簡素化が約束されているにもかかわらず、データセンター部門はますます複雑になってきています。」 と Uptime Instituteのは、最新の年次グローバルデータセンター調査で述べています。

依然として IT負荷の大部分は企業内の エンタープライズデータセンター で発生しているため、これらの設備とクラウド環境の間に発生したハイブリッドアーキテクチャ全体のワークロードを管理する際には、非常に大きな課題が発生します。一方で、電力および冷却装置のベンダーは、この需要の伸びに追いつくのに苦労しており、各社は適切なスキルを持つ十分なスタッフを確保するのに苦労しています。

Uptimeの Tier を基準とする信頼性に関する取り組みを考えると、調査レポートが述べた可用性に関する近い状況であると言えます。

クラウドは依然澄み切っていない

調査によると、 依然として全ITワークロードの過半数以上は企業所有のエンタープライズデータセンターで実行されています。 エンタープライズスペースのキャパシティ需要も依然として増加していますが、クラウドおよび コロケーション のデータセンターの構築が急速に進んでいる為、全体の割合としては減少しています。

パブリッククラウドの可視性は低い (出典:Uptime Institute

ITワークロードはさまざまなプラットフォーム上で実行されつつあり、3分の1は2021年までに外部サプライヤ(クラウドや SaaS プロバイダなど)に移行することになるとUptimeは予測しています。

パブリッククラウドの採用がもっと遅れるとするなら、それはクラウドプロバイダーによる透明性の欠如が原因である可能性があります。Uptimeは、回答者の4分の3がミッションクリティカルなアプリケーションをパブリッククラウドに置くことをためらっていることを知りました。多くの人がこれはサービスの可視性、透明性、説明責任の欠如のためであるとしています。20%以上の管理者が、プロバイダーの運用上の回復力をより明確に把握できれば、パブリッククラウドにワークロードを配置する可能性が高くなると回答しました。

ミッションクリティカルなアプリケーションにパブリッククラウドを使用している企業でさえ満足していません。 彼らの約半数は、「パブリッククラウドが十分な可視性を有しているとは思わないので、リスクを冒している」と述べています。

すべてのアプリケーションにわたって、IT管理者は可用性に対する方針を変えつつある、とUptimeは述べています。伝統的には、「電力、インフラストラクチャ、接続性、およびオンサイトのIT作業に細心の注意を払ってデータセンターを信頼性を維持してきた」とレポートで述べていましたが、これは変わりつつあります。2つのアクティブ(アクティブ – アクティブ)なデータセンターを使用する分散型 レジリエンス の考え方が一般的になりつつあります。調査対象者のうち4割は、少なくとも2つのアクティブなデータセンターが互いにデータを複製するためのアベイラビリティーゾーンを、レジリエンスの目的で使用していると回答しています。

調査レポートによると、管理者は確実に負荷を分散することができると感じています。「最新のアーキテクチャでは、より確実かつ効率的に複数のサイトに分散することが容易になり、そして適切な運用プロセスを実行する事により、全体的なリスクを軽減し、回復力を向上させることができます。」

機能停止は依然として一般的

にもかかわらず(そしておそらく驚くべきことに)、データセンターの機能停止障害は昨年と同じくらい一般的な状況です。回答者の3分の1以上が、過去1年間、彼らのビジネスに対し何らかのインフラの停止や深刻なサービスの低下の影響を受けていました。全回答者の10%以上が、直接・間接費用として100万ドル以上を挙げて、直近の機能停止障害から非常に明白な影響を受けたと述べました。

停電の最大の原因は電力だが、より高いレベルの問題も増加している(出典;Uptime Institute

複数のデータセンターに渡る機能停止障害が発生することは一般的になりつつあります。また、回答者の6割は、重大なデータセンターの機能停止障害は、より適切な管理/プロセスまたは規律によって防止できると述べています。

複雑化の加速

「今年の調査結果では、データセンター業界では複雑さを管理するのが難しい困難であることを示しています。」と Uptime Instituteのリサーチ担当エグゼクティブディレクターであるAndy Lawrence氏は述べています。

「現在多くの組織には、複数のクラウド、コロケーション、および自社内設備(エンタープライズ)環境など複数のプラットフォームに渡るハイブリッドインフラストラクチャが存在します。 これにより、アプリケーションやデータへのアクセスがさらに複雑になってきています。 」

彼は、このアプローチは敏捷性と(効果的に展開されたときの)回復力を約束するので、もっと解放されるべきであると言っています。しかし、欠点もあります。「ネットワークやオーケストレーションの要件が非常に高いため、ビジネスサービスにおけるパフォーマンスの問題が発生するリスクが高くなります。」

Lawrence氏は、これらの新しいアーキテクチャがもたらす問題に対処するよう、事業者に対し 「ビジネスレベルでの管理監督、透明性、説明責任の強化が必要です。」 と助言しています。

その他の課題として、従来の機械設備と電子システムが歩調を合わせる能力を圧迫するほどの要求レベル、および 継続的な人員配置の困難があります。多様性の欠如も依然として大きな問題です。調査対象となった管理職の4分の1には、設計、建設、または運用のスタッフの中に女性はいませんでした。 女性がスタッフの半分以上を占めていると回答した企業は全体の5%だけでした。

Uptime社の当調査は2019年3月から4月に実施され、50カ国以上の1,100人のエンドユーザーから回答が得られました。IT管​​理者、データセンターの所有者および運用担当者、そして業界にサービスを提供するサプライヤ、設計担当者、および業界にサービスを提供するコンサルタントなどが調査にご協力頂きました。

Data Center Dynamics

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