米連邦航空局、コンピュータシステムの障害により米国内の全フライトを運行停止

米国連邦航空局(FAA)は、航空管制システムの一部に障害が発生したため、本日2時間、米国のすべてのフライトを停止させました。

フライトクルーに安全情報を提供するFAAのNOTAMシステムに一晩中障害が発生したため、これまでに約5000便が遅延し、868便が完全にキャンセルされました。現在フライトは再開されましたが、引き続き遅延や混雑が予想されています。

今朝715EST(12:15GMT)頃、FAAは航空会社に対し、システムの復旧と整合性を確認する間、9:00(14:00GMT)まですべての国内線出発を停止するよう命じました。この停止は離陸予定の便に影響しますが、飛行中の便には影響がなく、安全に着陸することができます。

フライトは08:15から徐々に再開され、地上での停止は08:50に解除されました。

「飛行乗務員に安全情報を提供するFAAの航空ミッションへの通知(NOTAM)システムに夜間障害が発生したが、米国全体にわたり通常の航空交通オペレーションが徐々に再開されている。地上停止は解除された」このFAAの声明は08:50に発表されました。

NOTAMは飛行ルート上の潜在的な危険に関する警告を提供するものですが、それに一晩中障害が発生したことで、通常通りのフライトは開始されませんでした。また、米国行きの国際線も影響を受け、特にエールフランスとエアカナダは遅延について警告しています。

連邦航空局は障害の原因について何の説明も行っていませんが、バイデン大統領の報道官は、サイバー攻撃が原因であるという証拠はないと述べています。

Sky Newsの報道によると、大統領は先にこう述べていたと伝えています。「航空機は引き続き安全に着陸できるが、現時点で離陸ができないだけだ」

NOTAMシステムは、発展途上であった航空輸送業界が、安全上の問題に関する情報を、固有の番号、問題の説明、キーワード、問題の場所、期間などを含む合意されたフォーマットで共有する必要があると国連が決定した1947年にさかのぼります。当初は “Notice to Airmen “と呼ばれていたNOTAMサービスは、船舶に航行上の危険を知らせる “Notice to Mariners “をモデルにしています。

NOTAMによってフラグが立てられる問題としては、滑走路の一時的な障害物、パラシュートジャンプや航空ショーの予定、国家元首の飛行などがあります。

NOTAMは解読が難しいという批判があり、2017年にエアカナダの飛行機が、交通規制され飛行機のタキシングに使われていた滑走路に着陸しそうになるなどの問題が発生していました。利用方法の変更はNOTAMで指摘されていたものの、パイロットが登録しなかったのが原因でした。

それ以来、NOTAMは飛行機の自動化されたシステムで読まれることが多くなっています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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