【OVH火災事故:続報】SBG1の4つのホール、及びSBG2施設全体が焼損

昨日の壊滅的なデータセンター火災事故は、当初考えられていたよりも多大な被害が明らかになりましたが、OVHcloudは、来週からストラスブールのデータセンターの稼働を再開する計画を発表しました。

火災は、SBG2データセンター棟を全焼させただけでなく、隣接するSBG1データセンターの12ルームのうち4ルームも焼損させました。サイト内の4棟のデータセンターは全て電源停止状態になっており、OVHのステータスページによると、SBG3のUPSもシャットダウンされています。OVHcloudは、3月15日月曜日にSBG1とSBG4への復電を目指していますが、SBG3でのUPS復旧には3月19日金曜日までかかります。

ライン川でのポンプ船を使った100名以上の国際消防部隊が水曜日の早朝に鎮火させるまで6時間もかかり、SBG2ビルを焼損させた火災の原因は未だに発表されていません。

OVHは災害後の復旧を計画

「私たちへの同情メッセージすべてに感謝します!」OVHcloudの創設者であるOctave Klaba氏はこのようにツイートしました。「一晩中働いてくれたチームに感謝したい。過去22年間で最悪の日であり、今の申し訳ない気持ちを伝えるのに十分な言葉も見つかりません。現在、SBG1、3、4のできるだけ早い再開に向けて懸命に努力しています!」

ストラスブールのOVHcloud施設の利用顧客はフランスの別の場所での代替サーバが提供されます。「我々のルーベとグラヴリーヌサイトでは、新しいサーバの在庫を保有しており、影響を受けた顧客の大半にそれらを提供する準備はできています」OVHcloudの最新の声明文ではこのように述べられています。「これらのデータセンターの可用性をさらに強化し、今後数週間で10,000台近くの新サーバを生産していきます。影響を受けたお客様には、このプロセスに関してできるだけ早く通知します」

サイトの光ファイバは検査され、影響を受けていなかったことが判明したため、ネットワーク機器にパッチを適用して修理を行うと、施設をオンラインに戻すことができます。

一晩、新しいネットワーク機器がストラスブールに送られ、一時的なネットワークルームが設置されました。ワークリストには、「ネットワークルームB(SBG5)」と呼ばれるネットワークルームの再構築が含まれます。

ストラスブールのサイトを再開するために、OVHcloudの今後2週間の計画には、SBG1 / SBG4の240V回路の再構築が含まれます。このプロセスは、3月15日月曜日までに完了する予定であり、SBG3の20kV電源を3月19日までに再構築する必要があります。

SBG1は4つのルームを失いましたが、ネットワークルームは被害を逃れました。つまり、SBG4と共にオンラインに復旧することができます。

360万ものサイトがオフラインに

ネットワーク監視サイトNetcraftによると、火災に伴う最初の混乱の間に、464,000の異なるドメインで360万のWebサイトが停止しました。

停止に追い込まれたWebサイトには、ポーランドの金融Ombudsmanなどの政府のWebサイト、コートジボワールのDGE、フランス政府調達サイトPlateformedes achats de l’Etat、ウェールズ政府のExport Hub、および英国政府の車両認証機関のWebサイトなどが含まれていました。後者のサイトは迅速に対処し、午前10時までに新しいSSL証明書を取得し、英国のホスティング会社に移行しました。

原因は依然不明ですが、The Registerは、2017年にSBG1、SBG2、およびSBG4で3時間半の停電が発生していたことを指摘し、それがサイトの電力システムの大幅なアップグレードを促し、Gartnerのアナリストの引用によると、UPSの障害が根本的な原因であった可能性があると推測しています。

他のインターネットサイトはOVHcloudの更新ページを精査し、OVHcloudが他のデータセンターの電源ケーブルを交換していることに気づきました。「絶縁不良の可能性がある電源ケーブルのセットを交換する」と、Beauharmoisデータセンター(BHS-1)の更新では報告されています。同様のケーブルセットが昨日Limburg(LIM-1)でも交換され、12月にさかのぼると同様の更新は他のデータセンターでも行われていました。

このような事故では、正式な調査を行う必要があり、これらのメンテナンスの問題との関連は想定できません。他に何もないとしても、完全な原因が判明する前に、OVHcloudが防火関連のあらゆるメンテナンス作業を優先することは期待されるかもしれません。

OVHcloudは、IPOによる株式上場を予定しています。これに対する変更は発表されておらず、少なくとも今年の終わりまでは実施されないと思われます。

Data Center Dynamics

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