OVHデータセンターの火災事故でRustゲームデータが消失、他多数のサイトも停止

フランスのストラスブールOVHcloud SBG2データセンターに多大な被害をもたらした本日の火災事故は数多くのウェブサイトに被害を与え、一部のデータは永久に消失したと伝えられています。

当該データセンターでホスティングされていた各サイトはサーバが焼損し、他の場所でバックアップされていないライブデータについては失われてしまった可能性があります。執筆時点でまだ停止中のサイトには、パリの有名なCentre Pompidouアートセンターや図書館、ニュースサイトeeNewsEuropeのデータが含まれていました。一方、ディストピアのサバイバルゲームRustによると、25台のサーバが焼損し、一部のゲームデータは復元不可能になったと伝えています。

尚、Kasperskyのセキュリティ専門家は、OVHでホストされていたマルウェアの脅威の一部は消滅した、との指摘をしています。

Rust out or wear out

「昨夜ストラスブールのOVHデータセンターで発生した火災事故に伴い、現在、当Webサイトは利用ができない状態です」フランス国立近代美術館があるパリの主要なランドマークであるCentre PompidouのWebサイトではこのような表示となっています。「OVHチームへの支援を表明します。引き続き情報を更新します」

終末後の世界を舞台にしたサバイバルゲームであるRustをプレイしているユーザーは、25台のサーバが永久に失われたというニュースに対し、パリの文化人よりも冷静ではありませんでした。「”We better get something in return for all of the people that grind this week off for their bases and SH*T!”」あるRustのプレイヤーはこのように言っています。「さっさと皆に償え!」

「サンドボックスサバイバルゲームのヨーロッパのサーバ25台が今回のデータセンターでの火災により焼失したことを受け、開発元のFacepunch Studiosは失われたデータは復元できないと言っている」Rock Paper ShotgunのAlice O’Conner氏はこのようにレポートしています。彼女は、これらのサーバ上の全データの消失を確認後、自分自身が「これまでに構築してきたRustで最もクールな基地と、入手できないはずの秘密のアイテム」を失ってしまったと話しています。

無料のLichessサービスについては、サーバを焼失しましたが、難なく被害を回避しました。「今夜発生したデータセンターの火災で、いくつかのLichessサーバが焼失しました。(しかし幸い)誰も被害を受けませんでした。熱意のあるシステム管理者と彼のバックアップのおかげで、私たちが失ったのは24時間のパズルの歴史だけでした」

アフリカのインターネットサービスプロバイダーAFR-IXはまだ停止状態となっており、また、ディスク暗号化ユーティリティVeraCryptのサイトは火災が発生してから12時間後でもオフラインのままの状態です。

BleepingComputerの記事では、現在は稼働中だがBad Packets脅威インテリジェンス会社が被害を受けたとし、またDeribit暗号通貨交換サイトはブログが消失し、未だにオフライン状態です。

Fursuitarchiveサイト、およびアニメーションサイトCatsukaも影響を受けています。「データセンターの火災で、Catsukaは消えてなくなった。ウェブサイトを復活させる際にはお知らせします」とCatsukaのオーナーはこのように投稿しています。

良かった点もある?

KasperskyのGlobal Research and Analysis TeamのディレクターであるCostin Raiu氏は、良かった点もあったと指摘しています。クラウド上でホストされていたアクティビティの一部は全く有益なものではなく、一部のマルウェア運用者がサービスを利用していました。「我々がOVHで追跡していたAPTや高度な犯罪グループが使用する既知のC2 [command and control]サーバ140台のうち、約64%は未だに稼働している。影響を受けた36%には、Charming Kitten、APT39、Bahamut、OceanLotusなどのいくつかのAPTが含まれている」

Data Center Dynamics

原文はこちら

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