Microsoftが独自Armサーバチップを開発

Microsoftは、データセンター用サーバとSurfaceラップトップ向けに独自のArmベースCPUを設計しています。

これはクラウド市場で競合するAWSとラップトップ市場で競合するAppleによる同様の動きに続く動きであるとブルームバーグは伝えています。

Armは、他の企業にチップアーキテクチャをライセンス供与し、そのライセンス供与を受けた企業らは各社独自のプロセッサの設計の設計を行っています。

DIY

チップ設計者が独自設計のArmベースのサーバ向けCPUの開発を断念した後、MicrosoftはIntel、AMD、Nvidia、およびQualcommから半導体エンジニアリング関連人材を数年掛けて採用してきました。Microsoftは、Qualcommや廃止されたCavium(2017年にMarvellから買収)それぞれのArmサーバ設計についても強く検討していました。

Microsoft Azureクラウドは現在、主にIntel XeonやAMD Epyc CPUを実装するサーバで稼働していますが、低コストかつ電力効率の高いハードウェアの必要性もあり、クラウド大手企業らは独自設計のサーバ向けCPUを開発する動きになってきています。近年の人工知能の急速な発展により、チップ設計者やその領域を支配したいクラウド大手は、AIの数学的要求により適したアーキテクチャの開発を行うようになりました。

マイクロソフトは、SurfaceシリーズPC向けのArmプロセッサの開発にも取り組んでるとブルームバーグは伝えています。

Microsoftが同社の主力コンピュータ向けにArm CPU設計を採用はこれが初めてではありません。初代のSurfaceタブレットはNvidia Tegra 3を採用していましたが、OSはWindows RTであり、主流のWindows OS向けに開発されたアプリケーションを実行できませんでした。その結果、売上は低迷し、Windows RTは間もなく廃止されました。

その後、2019年10月、MicrosoftはSQ1システムオンチップ(SoC)を実装したSurface Pro Xを発表しました。しかし、これはQualcommのCPU及びGPUテクノロジー(Kyro 495 ARMv8とAdreno685の組み合わせ)に基づくものでした。(なお、SQ2 SoCはAdreno 690GPUを採用)

Intelの株価はMicrosoftがArm開発を行うというニュースで6%以上下落しました。x86分野における主な競合企業であるAMDは、非常に競争力のあるRyzen、Threadripper CPUなどをリリースしましたが、Intelはそれらを超えるパフォーマンスを引き出すのに苦労する状況が続いています。

AMDがデータセンター市場におけるIntelの覇権をいくらか崩してきた一方、Armベース設計の動きについては、TSMCやSamsungの製造工場が5nmに移行し始め、3nmを検討しようとする中、特に過去5年間14nmのプロセスノード生産からの移行に苦労しているIntelのマイクロプロセッサ市場の支配に対する長期的な脅威を示しています。


ブルームバーグは、Appleが2012年以降、MacBookとiMac向けにIntelに代わるArmプロセッサの開発に取り組んでいるとする同様の推測的なレポートを公表していました。しかし、Appleがその発表をしたのは今年の初めのことです。

最近Appleは、最新の5nmプロセスノード上でTSMCが製造した8コアの3.2GHz Apple M1チップベースのMacBookおよびMac Miniシリーズを発表しました。初期のレビューでは、Apple設計のCPUとそれに付随するGPU共、競合のIntel製品よりも優れていることが示されました。

Data Center Dynamics

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