マイクロソフト、次世代Cobalt CPUとAzure Boostを発表

Cobalt 200が登場

マイクロソフトは最新世代のCobalt CPUと、Azure Boostシステムの最新版を発表しました。

新CPU「Azure Cobalt 200」はクラウドネイティブワークロード向けに設計されたArmベースのCPUで、その詳細はブログ記事で明らかにされています。

マイクロソフトによれば、Cobalt 200は前世代のCobalt 100と比べて50%の性能向上を実現しており、35万を超える構成候補の評価を経て開発されました。

Cobalt 200 SoCはTSMCの3nmプロセスで製造され、Arm Neoverse Compute Subsystems V3(CSS V3)を基盤としています。

各Cobalt 200 SoCには132基のアクティブコアが搭載され、各コアに3MBのL2キャッシュ、192MBのL3システムキャッシュが搭載されています。マイクロソフトによれば、Cobalt CPUはコアごとの動的電圧・周波数スケーリングも提供し、132基のコアそれぞれが異なる性能レベルで動作することが可能となっているとのことです。

Cobalt 200サーバーの初回生産分はマイクロソフトのデータセンターで稼働中であり、2026年にはより広範な展開と顧客向け一般提供が予定されています。前世代のCobalt 100は2024年11月に一般提供が開始されました。

新CPUに加え、マイクロソフトは仮想化処理をホストから専用ハードウェア・ソフトウェアへオフロードするシステム「Azure Boost」の次世代版も発表しました。

ブログ記事で詳細が説明されている新世代Azure Boostは、リモートストレージ向けに最大100万IOPSと20GBpsのスループットを提供し、要求の厳しいワークロードにおいて高速なデータアクセスと高い信頼性を実現します。

新世代ではリモートダイレクトメモリアクセス(RDMA)も提供され、サーバー間でデータを高速かつ極めて低遅延で転送します。これはAIやHPCワークロードに最適で、リージョンを跨いだ実行が可能です。

新世代は現在v7シリーズVMでプレビュー提供中であり、2026年に本格展開予定です。

マイクロソフトが内部で革新を続ける一方、最近のポッドキャストインタビューでサティア・ナデラCEOは、OpenAIとの契約の一環として、同社は消費者向けハードウェアを除くOpenAIの研究活動から生じた知的財産権を取得していると明かしました。OpenAIは現在、Broadcomと共同で顧客向けAI半導体開発を進めています。

 

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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