
AirTrunkがマレーシアで再生水供給イニシアチブを設立
処理と供給のインフラ整備に多額の投資
AirTrunkは、ジョホール州政府100%出資の水道事業体であるJohor Special Water(JSW)と提携し、マレーシアにある同社の超大規模データセンターキャンパス、JHB1とJHB2への再生水供給構想を確立しました。
同パートナーによると、この計画はマレーシアにおけるこの種のものとしては最大規模であるとのことです。この計画では、未使用の廃水から地域で再生水を生産し、地域社会にとって不可欠な水資源を保護しつつ、ジョホール州にあるAirTrunkのデータセンターの運用ニーズを満たします。
AirTrunkのマレーシアカントリー・ヘッドのPei Jet Limは、「当社のデータセンターに再生水を導入することで、ジョホール州の環境と地域社会への取り組みを強化しながら、重要な飲料水資源を節約することができます。さらに、地元の請負業者と協力することで、経済成長を促進し、地元の雇用と調達を優先しています。」と語りました。
この契約には、同地域の処理・供給インフラ整備への多額の投資も含まれます。
この再生水の取り組みは、2024年に設置されたJHB1データセンターで導入された、同社の液体冷却システムと統合されます。同社は、この取り組みが業務効率を高めるだけでなく、ジョホール州の水資源の責任ある管理にも貢献するとしています。
JSWのほかにも、AirTrunkは地元企業数社と協力してこのプロジェクトを実施しました。
ジョホール州のDato’ Onn Hafiz Ghazi州首相は、「このプロジェクトは、環境問題に取り組むと同時に、ジョホール州に大きな経済効果をもたらします。これは、官民パートナーシップが私たちのコミュニティにポジティブな影響を与えることの証です」と述べています。
JHB1キャンパスは2024年7月にスタートしました。JHB1の初期段階は、大規模な顧客に50MW以上の容量を提供しています。JHB1では、20のデータホールに21,900平方メートル(235,750平方フィート)のスペースがあり、建設が完全に完了すると150MW以上の容量を提供します。
JHB2キャンパスは2月に発表され、ジョホール州イスカンダル・プテリに位置します。この施設は270MW以上に拡張可能で、同社のマレーシアにおける総投資額は97億マレーシアリンギット (22億ドル) となります。
昨年9月、BlackstoneとCanada Pension Plan Investment BoardはAirTrunkを161億ドルで買収しました。
データセンターの冷却に再生廃水を利用することは、近年人気が高まっています。一般的に、データセンターは飲用可能な水源から水を引いていますが、バクテリアやライムスケールの蓄積を防ぐための化学処理が必要なため、水が施設を出ると人間が飲むには適さなくなります。
その結果、Amazonのような企業は、不純物を99%除去する3段階の処理プロセスを経た再生廃水(つまり下水)を使用し、データセンターを冷却するようになりました。
Amazon、Google、マイクロソフト、Metaはいずれも、2030年までに水を積極的に利用するさまざまな目標を掲げ、水再生プロジェクトに取り組んでいます。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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