Metaが米国のデータセンターの電力供給のため、地熱エネルギー契約を締結

エネルギー新興企業のSage Geosystemsと契約

Metaは今週、 自社データセンターへの電力供給のため、 新興企業のSage Geosystemsと地熱エネルギー契約を締結したことを発表しました。

Sage Geosystemsは、独自の新技術であるGeopressured Geothermal System(GGS)を使い、Metaのデータセンターにカーボンフリーの電力を供給します。プロジェクトの第1フェーズとして、2027年のオンライン稼動を予定しています。Metaは、データセンターの成長を支えるため、最大150MWの新しい地熱ベースロード電力を供給することを目指しています。

Metaは、どこに地熱プロジェクトが設置されるのか、どのデータセンターが電力供給を受けるのかについては明言しませんでしたが、Sage Geosystemsからの発表によると「ロッキー山脈の東」に設置されるとのことです。

Metaの再生可能エネルギー担当責任者であるUrvi Parekhは、次のように述べました。 「エネルギー省が、地熱のような新しいエネルギー源の開発促進を支援していることにMetaは感謝しています。我々は今回の地熱エネルギー取引で、信頼性が高く、手頃な価格で、カーボンフリーの電力を送電網に追加できるようにすることを目指しており、同省のリーダーシップはこの目標をサポートしています。私たちは、地熱開発のリーダーとして実績のあるSage Geosystemsのような革新的な企業と、このプロジェクト、またその先でも提携できることを嬉しく思っています。」

Sage GeosystemsのCEOであるCindy Taffは、次のように述べました。「今回の発表は、クリーンエネルギーへの転換を実現するために官民がいかに協力できるかを示すのに最適な例です。我々は、次世代の地熱技術の最前線に立てることを嬉しく思っており、革新的ソリューションの商業化を支援するエネルギー省に拍手を送りたいです。エネルギー需要が伸び続けるなか、信頼性が高く、回復力のある持続可能な電力の必要性は最重要であり、Metaとのパートナーシップは、我々のような革新的で持続可能なエネルギーソリューションが大きく必要とされていることを強調するものです。」

現在、地熱エネルギーは主にネバダ州、ユタ州、カリフォルニア州で使用されています。Sage Geosystemsは、既存の油田技術を利用することで、より多くの場所で地熱エネルギーを提供し、その利用を広げる可能性があると述べました。同社のアプローチは、従来の熱水層(高温帯水層)よりも豊富な地熱資源である高温乾燥岩を活用しています。

Metaは発表の中で、 「高温のドライロックは、従来の熱水地層に比べて非常に豊富な資源であり、Sage GeosystemsのGGS技術は、米国全土、そして世界的に急速に拡大する可能性を秘めた、拡張性の高いアプローチです」と述べました。

高温ドライロック地熱は、地下の高温の岩石に閉ループの水システムを接続し、フラッキングに似たプロセスで岩石に水を注入し、その結果生じる高温の水を地表に持ち帰ります。新たな報告によると、Sage Geosystemsは独自の井戸を掘削したり、枯渇した油井を再利用して配備したりすることができるようです。

Sage Geosystemsは、元Shellの従業員によってテキサスを拠点に2020年に設立され、今年初めにシリーズA資金調達ラウンドで1,700万ドルを調達しました。Chesapeake Energy Corporationが主導したこのラウンドには、Arch Meredith、Helium-3 Ventures、そして既存の投資家であるVirya、LLC、Nabors Industries、Ignis Energyからの投資が含まれています。この資金は、テキサス州サンアントニオ郊外に建設される予定の同社初の3MWの商業用GGS施設に全額提供されます。

同社はまた、長期貯蔵技術にも取り組んでいます。昨年の小規模なパイロットプロジェクトでは、200kWを18時間以上、1MWを30分間発電しました。

Sage Geosystemsは以前、ニューメキシコ州とテキサス州にあるフォートブリス軍事基地に電力を供給する契約を米陸軍と結んでいます。また、テキサス州ヒューストンにある空軍のエリントンフィールド共同予備基地でも、地熱エネルギーの利用を模索しています。

現在までに、Metaは12GW以上の再生可能エネルギープロジェクトと契約しており、世界最大の再生可能エネルギー購入企業の一つとなっています。

Googleは以前、ネバダ州で100MW以上の地熱エネルギーを調達するため、Fervo EnergyおよびNV Energyと提携しました。

マイクロソフトは以前、ニュージーランドでContact Energyと地熱を利用した電力購入契約(PPA)を結んだほか、ケニアでG42と共同で地熱キャンパスを開発しています。

インドネシアでは、Star Energyがデータセンター事業者と、同社のエネルギープラントの近くに施設を建設することについて協議していることが報じられています。PDGも、インドネシアの自社データセンター向けに地熱エネルギー契約を結びました。フィリピンでは、Convergeが地元のエネルギー会社と地熱エネルギー契約を結びました。

カリフォルニア州では、新興企業のCalEthosが大規模なキャンパスの開発を目指しています。このキャンパスへの電力は、近隣の地熱発電所から供給される予定です。

イタリアの新興企業は、トスカーナで地熱を利用した小規模なデータセンターの建設を計画しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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