AWSがHVO燃料への切り替えを欧州で実施、スウェーデンから順次開始

バックアップ用発電機の電源にバイオ燃料を選択

Amazon Web Services(AWS)は、バックアップ用発電機の電力をディーゼルから水素化植物油(HVO)への移行を進めており、その切り替えをスウェーデンで開始しました。

HVOは、植物油や廃棄物の再処理から作られる合成パラフィン系ディーゼルで、水素が添加されています。また、既存のエンジンに手を加えることなく使用できるドロップイン型の代替燃料です。また、ディーゼルと混合して使用することも可能です。

スウェーデンの現地メディアによると、同社はヨーロッパ全域でバイオディーゼルへの切り替えを目指しており、スウェーデンはその最初の国の一つであるとのことです。

AWSは、今年1月からHVOへの移行を開始したと報じられています。同社が必要とするHVOの量や、どの業者から燃料を調達しているかについては公表されていません。同社は「再生可能な資源」からHVOを調達し、グローバルサプライチェーンだけでなく、地元のサプライヤーとの連携も進めていると報道されています。

北欧のAWS責任者であるMarielle Lindgren氏は次のように述べています。「今回のHVOへの移行は、当社のデータセンターの持続可能性をさらに向上させるために取り組んでいる多くの方法のひとつにすぎません。私たちは、事業における二酸化炭素排出量を削減し、2040年までに二酸化炭素排出量をネットゼロにするというAmazonの全社的な目標に向けて取り組んでいます。データセンターの運営に持続可能な方法で調達されたHVOを使用することを約束することで、当社とパートナーは他社をリードし、ヨーロッパ全体の変化を加速させるグローバルなサプライチェーンの確立に貢献したいと考えています」

AWSは、2017年にストックホルムでスウェーデンのクラウドリージョンの計画を初めて発表し、実際のローンチは2018年後半となりました。同社はその後、将来の拡張のために、すでに事業を展開している同市のカトリンホルム地区とエスキルストゥナ地区にさらに土地を購入しました。このほか、同社はヴェステロースにもデータセンターを保有しています。

多くの企業が、二酸化炭素排出量の削減とバックアップ業務のグリーン化のために、ディーゼル代替燃料に関心を寄せています。英国の事業者であるKaoとDatum、英国のCompassのほか、ベルギーのLCL、ラトビアのDEACは、バックアップ用発電機の燃料としてHVOの採用を検討しています。

デジタル・リアルティのフランス法人も、パリのPAR8新サイトでHVOを採用しました。同社はスペインのマドリッドでもHVOを導入しており、近い将来、大陸全体にHVOの利用を拡大する予定です。

Kohler社は最近、フランスのブレスト発電機製造工場でディーゼルを HVO に切り替え、合計約 325,000 リットルの燃料を使用しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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