グリーングリッド、液冷システムを含めたTCO ツールをアップデート

老舗の業界団体、液浸冷却への移行評価を支援

データセンターの効率化団体であるThe Green Grid(TGG)は、データセンターにおける液冷システムの費用対効果を向上させるためのツールをリリースしました。

このツールは、データセンターの設計者や財務担当者が、データセンターのコストを最大50%削減できる液冷のオプションを評価するために設計されています。

TGGツールは、英語と日本語版でthegreengrid.orgから入手可能です。

冷却はデータセンターのコストの大部分を占めており、液冷システムはこれを大幅に削減することができます。しかし、データ センター建設業者は、液浸冷却や、さらにコストを削減できる可能性のある二相式冷却などの最新のオプションも含め、さまざまな選択肢から選ぶ必要があります。また、液冷は熱を温水として排出するため、廃熱を再利用することができ、循環型経済が促進されます。

TGGツールは、業界のリーダーたちの貢献により開発されました。これは、2016年に初版が発行されたツールの最新のアップデート版です。最新のアップデートでは、熱の再利用のようなオプションが奨励されているため、データ センター事業者や オーナーに対し、ベスト プラクティスの採用を促す ESG 報告要件を視野に入れて制作されています。

グリーングリッドのリーダーであるErica Thomas氏は、次のように述べています。「7年間にわたり、グリーングリッドは、より効率的な設計を可能にし、持続可能な変化を促進する財務および技術リソースを作成、公開、推進するために誇りを持って協力してきました。データセンターの急速な成長に伴い、その性能に関する最も効率的なベストプラクティスにアクセスすることは、業界のイノベーションを可能にする重要な要素です」

また、Supermicroの代表でTGG Liquid Cooling Standing Work Groupの共同議長であるRich Lappenbusch氏とRT Huang氏は、次のように述べています。「世界中の電力のおよそ3%が毎日データセンター環境で消費されており、より効率的なデータセンター設計のモデル化について、業界が説明責任と責任を負うことが極めて重要であります。我々は、多くの貢献者による成果を、この最新の専門リソースに反映できることを嬉しく思っています」

グリーングリッドは2006年に非営利団体として設立され、効率性の指標であるPUE(電力使用効率)を作成し普及させたことで知られ、データセンターの冷却に使用するエネルギーを削減するための長年の活動を後押ししてきました。

2019年、TGGは世界的な技術団体であるITI(Information Technology Industry Council)の傘下に入ることになりました。それ以来、米国環境保護庁(EPA)によるデータセンター向けのエネルギースター・スコアの更新に向けた取り組みに関与しています。

一方、中国の分派であるTGGC(The Green Gauge China)は、新たにIUE(インフラ利用効率)を含む独自の基準をいくつか発表しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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