OCP Foundation、第5の信条として「サステナビリティ」を発表

ハイパースケールイノベーションを提供する非営利団体Open Compute Project Foundation(OCP)は、サステナビリティを新しいトップレベルプロジェクトの焦点とし、OCPプロジェクトのすべての作業において、コアアクションとしてサステナビリティに焦点を当て、当初から設計されているように、組織のコアビリーフの第5の信条とすることを発表しました。

OCPのサステナビリティのトップレベルプロジェクトは、報告目標を設定し、外部規制とベストプラクティスの遵守を監視・計画し、電力使用効率(PUE)などの従来のデータセンターの指標を超えるハイレベルなサステナビリティKPIを開発し、OCPの新しい信条であるサステナビリティに基づいて、より大きなOCPコミュニティが従うべきサステナビリティ技術およびプロセスのロードマップを構築します。

OCP全体で実施されるサステナビリティの取り組みは、新しいOCPサステナビリティ・プロジェクトによって設定された方向性を、技術ごとに実施することに重点を置きます。現在OCPでは、冷却環境におけるサステナビリティの取り組みとして、液浸冷却やコールドプレート冷却、熱再利用などの液体ベースの冷却技術による熱管理効率の向上が行われています。データセンター施設では、熱の最適化以外にも、運用やデータセンター施設の建設、IT機器の製造に伴う炭素の最適化にも取り組んでいます。

また、IT物理インフラのライフサイクルを積極的に制御するために、循環型設計も重要な焦点となっています。例えば、ファームウェアは、再利用を促進し、長期的な持続可能性を向上させるために、オープンである 必要があります。OCP Foundation のハードウェア仕様は、製品ができるだけ長く使用されるように進化し続け、データ センター内のインフラが再利用され、最終的に廃棄される際に部品や材料の回収が可能になるように、 循環性を考慮した設計を行います。

「OCPコミュニティは、業界の環境負荷の低減に貢献し、データセンターに導入される技術に影響を与えるような対話を推進する責任を負っています。OCP の信条は、スケーラブルなコンピューティングのための最も効率的な設計を主流にするオープン性を育み、 OCP を気候変動対策の効果的なエージェントとして位置付けるものです。」OCPのCEOであるGeorge Tchaparianは、次のように述べています。「IT機器、シリコン、およびデータセンター施設における透明性、循環性、および体積炭素に注目したサステナビリティのための指令が加わることにより、業界が環境に与える影響を最小限に抑えるための我々の能力に大きな重点を置くことができます」。

予測される業界の成長と環境への影響を切り離すために、ハイパースケールおよびコロケーションデータセンター業界は、既存および将来のサステナビリティ戦略とソリューションを加速させ、環境への影響全体を低減させる必要があります。OCPは、標準化された測定基準の開発とバリューチェーン全体でのデータの透明性の促進、所有権の移転に関する基準、建物設備やIT機器を含むITインフラの範囲において初期のライフサイクルや設計段階から循環型社会の導入を支援し、教育や意識向上によってサプライチェーンに最も効果的かつ直接的な影響を与えることができます。

Digital Infra Network( Michael Nelson 記者)より抄訳・転載

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