韓国ガスとKT社がLNGターミナルのデータセンターを発表

仁川ガス工場の廃熱を利用した新施設

KT(Korea Telecom)と韓国ガス(Kogas)は、液体天然ガス(LNG)プラントで冷やされたデータセンターを建設する計画を発表しました。

両社は韓国・ソウル近郊の仁川にあるLNG輸入プラントの再ガス化による冷熱エネルギーを利用したデータセンターを開発する契約を結びました。ソウルで行われた覚書の調印式で、この協業によりデータセンターの省エネルギー化と廃棄物の冷熱利用が可能になると述べました。

化石燃料の未来

韓国は大量の天然ガスを輸入しています。政府系独占企業のKogasは世界最大の天然ガス輸入業者で、4つのターミナルで年間約5,400万立方メートルのガスを取り扱っており、これを燃やして290GWhのエネルギーを作り出しています。韓国の最新の二酸化炭素削減計画では、2つのルートのいずれかによって2050年までにカーボンニュートラルになることが計画されています。プランAでは、LNGを含むすべての火力発電を段階的に廃止し、プランBでは、柔軟性を持たせるためにLNGを残すというものです。

このような状況の中Kogas幹部は、韓国におけるLNGのフットプリントを削減するためのステップとして、同社の廃熱利用の提案を行っています。Kogas社のHee-bong Chae社長は「今回の提携は、仁川新港でのコールドチェーン・クラスターの構築とともに、Kogas社がLNGの冷熱を利用してカーボンニュートラルを目指すための新たな一歩となる」 と述べました。 「また海外の冷熱利用事業を活用し将来の新たな成長エンジンを確保します」

データセンターに適した立地として、LNGガス化計画が何度か提案されています。天然ガスはすべて液体の状態で輸入されますが、それをガスに戻すときに膨大な熱を吸収し、その過程で他の産業に冷房を提供することができます。データセンターのエネルギーの最大30%はサーバーの冷却に使用されているため、データセンターは自然に適合する可能性があります。

しかし、克服すべき多くの障害があり、KTとKogas社が成功すれば、実際にLNGプラントに建設された初めてのデータセンターとなります。このアイデアの最も明白な欠点は、LNGプラントは一般市民への危険性を減らすために遠隔地に設置されているため、良好なファイバーリンクがないということです。例えばKogas仁川工場は、沖合8kmの人工島にあります。LNGプラントの爆発の危険性は、データセンターを利用する顧客を遠ざけるもう一つの要因となります。

シンガポールでは、エネルギー需要を理由にデータセンター建設を凍結しているため、その可能性を検討しています。シンガポールのLNGコーポレーションは、National Supercomputing Centre Singapore、シンガポール国立大学、政府系コンサルタント会社Surbana Jurongとともに、LNGプラントにスーパーコンピューターを建設するためのフィージビリティスタディを進めています。2019年には、Keppel Data Centresが先行してフィージビリティスタディに参加しています。

データセンターのエネルギー使用量が送電網の10%を超え、将来のデータセンタープロジェクトの中止を求める動きが強まっているアイルランドでは、シャノンに新設されるLNGプラントの一部としてデータセンターを建設する案が浮上しています。しかしこのプラントは、米国から採掘されたガスを輸入することになり、アイルランド政府はこれを否定しており、全体として脱炭素化に逆行することになります。

KogasとKTは、フィージビリティ・レビュー、安全性の検証、国内外の事業展開などの分野で協力していきます。

LNG冷熱の利用により、KTがソウルの龍山に運営しているようなデータセンターでは、約12MWの電力を節約できるといいます。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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