クラウドブームと供給不足の中、MS Azureデータセンターは「限られたサーバ容量で」運用されている
世界的な部品供給不足が続く中、世界中のMicrosoft Azureデータセンターは、顧客に提供できるサーバ容量を制限された状態で運用しているようです。
The Informationの報道によると、20数カ所のデータセンターは、顧客に提供できるサーバ容量が制限された状態で運用されているとのことです。
マイクロソフトが公にするよりも問題は大きく、データセンターは黄信号状態で運用されています。尚このレポートは、マイクロソフトの現役マネージャー2名と、大手顧客に勤務するエンジニアの話に基づいています。
あるマネージャーは、半数以上のAzureデータセンターのサーバ容量は、来年初め頃まで制限されたままとなる見込みだと話しています。この中には、ワシントン州中部にある施設や、ヨーロッパやアジアにある施設も含まれています。
マイクロソフトがデータセンターでのハードウェア不足に苦労しているのは、Covid-19パンデミックを発端にクラウドの需要が急増したことに起因します。
「Covid-19が私たちの仕事や生活のあらゆる側面に影響を及ぼす中、私たちは2年分のデジタルトランスフォーメーションを2カ月間で経験した」サティア・ナデラCEOは2020年4月にこのように話していました。
「今後、私たちの生活や仕事のあり方を定義することになる、目下の需要急増と体系的な構造変化の双方が、私たちのすべてのソリューション分野に存在する。当社の多様なポートフォリオ、耐久性のあるビジネスモデル、クラウドとエッジにわたる差別化されたテクノロジースタックは、この先に起こることに対して当社に良いポジションを与えている」
需要の急増に伴い、Azureサービスの小規模な停止が相次ぎましたが、それが利用の急増と直接的に関連しているかどうかは把握できていません。
その後、データセンター業界は、半導体を筆頭に、あらゆる分野で広範な供給不足に見舞われています。半導体不足は今後何年も続くと予想されており、世界中のデータセンターでサーバの導入が遅れています。中でもゲーム会社のスクウェア・エニックスは、サーバを十分に確保できず、人気ゲーム「ファイナルファンタジーXIV」に多くの人がアクセスできない状況に陥りました。
【更新】Microsoftの広報担当者はDCDに対し次のようにコメントしています。「世界中で、クラウドにかつてないほどの成長が見られた。この急増は、業界全体に影響を与えるマクロトレンドと相まって、我々は顧客の容量増加に対応するための措置を講じるとともに、当社のデータセンターにおけるサーバの導入を促進してきた。私たちの優先事項は、お客様のビジネス継続性を確保すること。また、必要に応じて積極的に負荷分散を行っていく。万が一、容量制限を行う必要が生じた場合は、まずトライアルや社内ワークロードを制限し、既存顧客の成長を優先させる」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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