TSMCがUAEのチップ工場について協議中~トランプ政権は国家安全保障上の懸念

TSMCが、アラブ首長国連邦(UAE)に半導体工場を建設する可能性について、トランプ政権と協議したと報じられています。

Bloombergの報道によると、同社は米国の中東特使であるSteve Witkoffや、UAE国営投資会社MGXの関係者と複数回の会議を開催したとのことです。

提案されている施設の詳細についてはほとんどわかっていませんが、同レポートによると、もし建設が実現すれば、TSMCが現在アリゾナ州に建設している工場と、規模ともに似たものになるとのことです。

しかし、トランプ政権からは多くの懸念が出されており、その中には、米国による同施設の管理レベルの要求や、特にTSMCが他の場所からUAEの施設に労働者を呼び寄せなければならなくなる可能性があることから、アリゾナの施設に悪影響を及ぼす可能性があることなどが挙げられています。現在、湾岸諸国では工場を建設・運営するための資格のある労働者が不足しています。

また、中国とイランの影響力を考慮し、国家安全保障の問題も議論されていると報じられています。

バイデン前政権は、UAEがロシアによる制裁回避のための「中継地点」となっているとの疑いと、中国との関係が深まっていることを受けて、中東の一部の国へのNvidiaとAMDの最新GPUの輸出を禁止しました。American Enterprise Instituteの報告書によると、2023年上半期には、ロシアが獲得したチップの88%を中国からの出荷が占めていたとのことです。

このニュースは、サウジアラビア公共投資基金(PIF)が支援する、国営のAI投資会社Humainの立ち上げから数週間後に報じられたものです。ドナルド・トランプ大統領のサウジアラビア訪問中にAMD、Nvidia、AWS、Groqとのデータセンター関連の複数の契約を発表しました。

これらの契約の条件に基づき、Humainは18,000個のNvidia GB300チップを購入し、さらに「数十万個」の追加購入を予定しています。また、AWSと提携して50億ドル規模の「AIゾーン」を構築し、AMDと500MWのコンピュートに関する契約を締結、さらに推論用にGroqチップを導入しました。

同社はまた、QualcommおよびCiscoと覚書(MoU)を締結し、5GWのデータセンターキャンパスを発表しました。このプロジェクトは、首長国のAI企業G42によって建設が予定されており、その一部にはOracle(オラクル)とソフトバンクが支援する地元のStargate clusterが入居する予定です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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