ABB、Nvidiaとの提携を拡大

自社の電力インフラ製品のデジタルモデルをNvidiaのOmniverse DSXブループリントプラットフォームに統合へ

ABBはNvidiaとの提携を広げ、自社の電力インフラ製品のデジタルモデルをNvidiaの「Omniverse DSX blueprint」プラットフォームに組み込むことに合意しました。これにより、データセンターを開発する企業は、実際に建設する前に電気システムの動きをシミュレーションし、検証することができるようになります。

この取り組みでは、NvidiaがABBのSimReady3Dデジタルデータを自社の設計環境に統合します。対象となるのは、中電圧開閉装置、配電機器、無停電電源装置(UPS)などです。

ABBによると、このプラットフォームを使うことで、エンジニアは電源からサーバーラックまでの電力配分をモデル化し、プレハブ式のインフラモジュールを発注する前に、電気・熱・コンピューティングシステムといった複数の要素を1つの「デジタルツイン(仮想空間上の再現モデル)」でまとめて評価できるようになります。

ABB ElectrificationのグローバルデータセンターセグメントリーダーであるJorge Lisは、次のように述べました。「この協業により、AIに必要とされる電力技術におけるリーダーシップを提供します。最初のトークンが出力されるまでの時間(Time-to-first-token)がインフラ設計の決定を左右します。DSXとの統合により、ABBのグローバルな製造体制と地域ごとのエンジニアリング力によって支えられた設計から導入までの実績ある道筋をお客様に提供します。当社は、これらの施設が迅速に拡張できるようにするために不可欠な電力基盤を提供します。」

今回の協業は、次世代AIデータセンター向けの800V直流電源の開発に焦点を当てた、2025年10月に発表された合意を基盤としています。

ABBは、この仕組みは増え続けるAI向けデータセンターの電力需要に対応するためのものだとしています。将来は、1サーバーラック当たり1MWを超える電力を使う可能性があり、そのための高圧配電や直流電力システム、高度な保護技術、そして液体冷却インフラなどが必要になると見込まれています。

両社によると、この統合により開発者は導入前に想定されるAIワークロードに対するインフラの性能をテストできるようになり、設計期間の短縮とプロジェクト遂行の改善が期待されています。

近年、ABBは一連の買収を通じてデータセンター関連事業を大きく拡大しています。2月には、データセンター市場におけるコンサルティング能力を強化するため、アイルランドの電気工学コンサルティング会社Premium Powerを買収しました。

これに先立ち、同社は英国の電気診断専門企業IPECを買収しています。同月には、データセンターの冷却システムの最適化に取り組む英国のAI企業OctaiPipeにも少数株式投資を行いました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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