
米国の法執行機関、反テック系の過激活動を標的に
データセンターへの抗議活動や会合を監視、反対運動の動向を警戒
米国の法執行機関が「反テック系の過激な暴力活動」を取り締まる取り組みの一環として、データセンターに対する抗議活動や会合を監視してきたことが、Wiredが確認した未公開の報告書や資料から明らかになりました。
これらは国土安全保障省(DHS)、FBI、そして連邦政府と州当局の間で情報共有を行うフュージョンセンター(fusion center:情報共有センター)に属するものです。
ペンシルベニア州西部のフュージョンセンターの報告書は、「国家が支援する組織、犯罪グループ、そして自国過激派や環境過激派などの過激分子を含む敵対勢力が、米国のデータセンターを標的にする可能性がある」と指摘し、「これらの勢力は、米国経済にとってデータセンターが戦略的に重要である点を悪用し、暗号資産マイニングのような活動を行ったり、フロント企業などの第三者組織を通じて米国のデータやインフラにアクセスしようとする可能性があります」と述べています。
バージニア州北部地域情報センターの報告書では、「AGAAVEs(反政府・反権威主義の暴力的過激組織)」と呼ばれる人々が、データセンターやその他の重要インフラ施設を標的とした犯行前の予備的な計画に関与していると警告しています。
不審な行為として挙げられているのは、明示的または暗示的な脅迫、観察・監視、写真撮影、セキュリティのテスト・検証、侵入未遂などです。また報告書は、これらの人物が陰謀論や政府に対する不満の影響を受けているとも指摘しています。
データセンターに関する陰謀論は、データセンターの急速な建設を米国政府やパランティア(Palantir)のような民間企業による監視活動に起因するものだとする傾向があり、通常、テクノロジーやAIに対する一般的な批判を伴っています。
その例はSNS上に多く見られ、たとえば16万人以上のメンバーを持つ公開Facebookグループ「Say NO to Data Centers」などがあります。
ある投稿には次のように書かれています。「長年にわたって少しずつ構築されてきた私たちを支配するためのネットワークに気付き、理解してほしいです。(建設擁護派である)彼らが監視ネットワークを何年もかけて作るという方法を取らざるを得なかったのは、私たちにその動きを気付かせないためです。最後の段階は、データセンターの拡張であり、それによってあらゆるものが一体となった巨大な仕組みへとつながります。彼らはまず『脚』の部分(携帯端末や、監視カメラ、高速ネットワークなど)を広げ、いま『頭脳』(AI)を構築しています。これが完成すれば、私たちの自由(やプライバシー)は失われます。」(カッコ内訳注)
しかし、地方レベルでのデータセンター反対運動の大半は、資源や環境に関する懸念に基づいています。
今年3月に実施されたGallupの調査によると、1,000人の回答者のうち、最も多く(50%)挙げられた理由は資源への影響でした。一方で、AIへの不信感や人類への影響を理由に挙げた人はわずか4%、政府の関与や過剰介入を理由に挙げた人はわずか1%にとどまりました。
ハイパースケーラー、データセンター事業者、不動産開発業者がAIブームを最大限に活用しようと競い合う中、データセンター建設への反対運動は激化しており、環境問題、地域資源の確保、計画策定プロセスの非民主的な性質など、多くの懸念が提起されています。
市民と開発事業者の会合は、緊張した雰囲気になることもあり、持ち時間を超えて発言をした住民が警察に逮捕されるなど、注目を集め物議をかもした事例もあります。また、ごく一部の反対派は、プロジェクトを支持していると見なされた地元当局者に対して、脅迫や暴力をふるったこともあります。
しかし、大多数の反対運動は平和的です。反対派は通常、Facebookグループで意見を表明したり、地方自治体や都市計画会議で発言したり、計画中のデータセンターに関する情報を共有したりしています。場合によっては、xAIとNAACPの事例のように、市民団体や環境保護団体から法的支援を受けることもあります。
さらに、ある報告書では、2025年3月にプログレッシブ系メディアMore Perfect Unionが制作した動画「I Live 400 Yards from Mark Zuckerberg’s Massive Data Center」も問題視されています。この動画は、ジョージア州マンスフィールドに住む現役を引退した夫婦BeverlyとJeff Morrisが、MetaのStanton Springsデータセンターから受けた影響を扱っています。
Morris夫妻の事例、特にデータセンター建設後に水道水が濁り、水圧も低下したという問題は、反対派の間で広く知られるようになりました。2人はBBCやNew York Timesなど主要メディアの取材も受けています。
資料はまた、米国の法執行機関がAIやテクノロジー全般に対する反対運動にも注視していることを示しています。
報告書には次のように記されています。「今後5年間で新たに登場するAI技術によって生じる混乱した状況が、特にニューヨーク市のような大都市で大規模な抗議活動を引き起こし、それが市民の混乱や反テック系の暴力的過激活動へと発展する可能性があります。」
またバージニア州北部の情報センターが配布した別の報告書では、「Tesla Takedown (テスラ打倒)」デモや、「Break Up With Tech Rager(イスラエルの兵器メーカーElbit Systemsへの投資停止を求めるイベント)」の監視も行われていたことが示されています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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