マイクロソフトがデンマークのAzureリージョンを発表

Microsoft(マイクロソフト)は、デンマークでのAzureクラウドサービスの データセンター リージョン を発表しました。今回の発表は、ノルウェーでの2つのリージョンの開設、そしてスウェーデンでのデータセンター構築作業の開始に続く動きです。

新リージョンは、デンマークの豊富な再生可能エネルギーを活用し、またデンマークの公共部門のオンライン化や、2024年までに20万人のデンマーク国民へデジタルスキル教育を行う投資といったマイクロソフトのキャンペーンが伴います。

Microsoft Cloudは「従来の エンタープライズデータセンター よりも最大で93%エネルギー効率が高い」ため、新サイトはデンマークのコンピューティングに関するCO2排出量を削減できる、とマイクロソフトは主張しています。また、この施設では100% 再生可能エネルギー が利用されますが、電力の80%を再生可能エネルギー源で賄うデンマークでは、これは際立った特徴とはなりません。

素晴らしい、素晴らしいコペンハーゲン?

スウェーデンはスカンジナビア半島の隣国よりも大手クラウド事業者からより多くの注目を集める傾向があり、デンマークはしばしばそれに遅れをとっています。スウェーデンには、ストックホルム周辺の他の開発とともに、Facebookのヨーロッパにおける旗艦サイトがルレオに存在します。一方ノルウェーには、マイクロソフトの既存施設2か所を含む多くのハイパースケール施設があります。

デンマークは、Facebookが2019年にオーデンセにデータセンターを開設したことにより成功を収めています(ただし、エスビアウ第2センターの計画はキャンセルされました)。

一方Googleは2020年11月に、2018年からデンマークのフレデリシアで構築を進めていたデータセンターを開設しました。この施設の費用は45億デンマーククローネ(約7億3,300万米ドル)でした。施設は150人の雇用を創出し、また投資を行った太陽光発電所から160MWの電力供給を受けています。

データセンターの建設は、Covid-19のパンデミックが引き起こした経済的苦境の影響を受けておらず、したがい、多くの政府の復興計画の一部となっています。デンマークの財務大臣であるNicolai Wammen氏は、次のように述べています。「政府の野心は、デンマークがCovid-19以降、さらに環境に優しく、より強く、より社会的に公正に生まれ変わることです」

「私たちはデンマーク経済のグリーン回復を開始し、グリーン公共調達の新たな戦略を開始し、野心的な気候目標に貢献していきます。今日、データセンターやITソリューションは、デンマークの公共調達におけるCO2排出量のかなりの部分を占めています。そのため気候フットプリント(climate footprint)を削減できる大きな可能性があります」

「デンマークに ハイパースケールデータセンター を構築するということは、デンマークのデータをデンマーク国内に保存し、コンピューティングをさらに高速かつアクセスしやすくし、ワールドクラスのセキュリティでデータを保護し、デンマークのプライバシー法でデータを保護し、そしてデンマーク国民に最高のデジタルスキルトレーニングを提供するなど、数多くのことを行うことを意味します」とMicrosoftのプレジデントであるBrad Smith氏は述べています。

「この投資は、デンマークのグリーン、そしてデジタルリーダーシップに対する私たちの深い感謝と、その将来へのコミットメントを反映しています」

Arla Foods、Carlsberg、Danfoss、Energinet、Grundfos、Pandora、Maersk、Saxo Bank、Simcorp、およびデンマーク税務省を含むデンマーク国内のAzure利用顧客らは、重要ビジネスアプリケーションや新たな顧客体験、そして革新的なデータソリューションを強化するために、すでにMicrosoft Cloudに依存しています。マイクロソフトは、地元の公益事業者Energinetに対し、炭素の緩和に関する情報を提供する、より透明性の高いエネルギー供給オプションを提供できるよう支援する予定です。

再生可能エネルギーを刺激する

デンマークの Danish Data Center Industry AssociationのCEOであるHenrik Hansen氏は、次のように述べています。「私たちはマイクロソフトのデンマークへの投資を歓迎します。そしてそれは、世界で最も持続可能なデータセンターをサポートし運営するといった、私たちがここデンマークで提供していることを反映しています」

先月オープンしたGoogleの施設は、Hansen氏から「世界で最もサスティナブル(持続可能)なデータセンターの1つ」として歓迎されました。「この国では、高い野心を実現することができます。この国では、大量のグリーンエネルギーと、地域暖房ネットワークで余剰熱を利用する世界最高の機会の両方があります。これは非常に強力なパッケージであり、デンマークがさらに多くの投資を引き付けるための非常に強力な論拠です。データセンターは多くの電力を使用しますが、この国ではそれをクライメイト・ニュートラル(気候中立)にすることができます」

Hansen氏は、 再生可能エネルギー を利用したデータセンターの建設や資金調達取引は、グリーンエネルギーの生産を成功させる効果があると述べています。「Googleやその他の大規模データセンター事業者は、プロジェクトの下で確固たる基盤を築いています。したがって、データセンターは、新しいグリーンエネルギーの生産を推進する上で決定的な力になります」

「同時にそれらは、化石エネルギーから切り替える必要があるときに、社会全体の電化に必要な電力網への巨額の投資に多大な貢献をもたらします」

デンマークのデータセンター業界団体は、余剰熱を使用するための最良の解決策を見つける共同テストセンターを計画しています。

Data Center Dynamics

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