Google、Next 21でエッジとオンプレミスのクラウド製品を発表 ~Google Distributed Cloud ポートフォリオを発表

Googleは、AWS Outpostに対抗する新しいエッジおよびオンプレミスのクラウド製品群を発表しました。

今週開催された「Google Cloud Next ’21」カンファレンスでは、Googleのインフラをエッジとオンプレミスのデータセンターの両方に拡張するためのハードウェアとソフトウェアで構成される「Google Distributed Cloud」と呼ばれるソリューションのポートフォリオを発表しました。

Google Distributed Cloudは、Googleのインフラストラクチャおよびアプリケーション管理プラットフォームであるAnthosをベースに構築されています。サービス開始時には、Cisco、Dell、HPE、NetAppがこのサービスをサポートします。

「Google Distributed Cloudは、最高レベルのパフォーマンス、可用性、セキュリティを提供する当社のプラネットスケールのインフラを利用し、顧客やエッジの拠点でGoogleが管理するハードウェア上で動作するAnthosは、アプリケーションを安全かつリモートで実行するためのサービスプラットフォームを提供します」と同社はブログで述べています。

このポートフォリオの最初の製品は、「Google Distributed Cloud Edge」と「Google Distributed Cloud Hosted」です。

Distributed Cloud Edgeは完全に管理された製品で、ローカルなデータ処理や低レイテンシのエッジ・コンピューティング・ワークロードの実行に適しているとのことです。発表によると、Cloud Edgeを利用することで、5Gコアや無線アクセスネットワーク(RAN)の機能をエッジで実行し、企業アプリケーションと合わせて、ミッションクリティカルなユースケースをサポートすることができます。これはプレビュー版として提供されています。

「CSP各社は、エッジソリューションに柔軟性と俊敏性をもたらすことができるクラウドネイティブなネットワークアーキテクチャを、より迅速に導入する方法を求めています。」インテルの副社長兼GMネットワーク・プラットフォーム・グループのダン・ロドリゲスは、こう述べています。「Google Distributed Cloud Edgeは、Intel Smart Edge Open、インテルのFlexRANリファレンスソフトウェア、Intel Xeon Scalableプロセッサを活用して、エッジでの5G Telcoクラウドとサービスの提供を加速するのに役立ちます。」

Nvidiaのテレコム担当シニア・バイス・プレジデント、ロニー・ヴァシシュタは、「Google Distributed Cloud EdgeでGoogle Cloudと提携できることを嬉しく思います。」と述べました。

Google Distributed Cloud Hostedは、データの残留性、セキュリティ、プライバシーに関する強い要件を持つ公共および民間企業に、オンプレミスのオプションを提供します。

Google Distributed Cloud Hostedは、インフラストラクチャ、サービス、API、ツールを管理するために、Google Cloudへの接続を必要とせず、運用にはAnthosが提供するローカルコントロールプレーンを使用します。Google Distributed Cloud Hostedは、2022年前半にプレビュー版を提供する予定です。

同社は、以前発表したT-Systems社とのパートナーシップでは、Distributed Cloud Hostedを採用しているといいます。

T-Systemsの シニア・バイス・プレジデント 、フランク・ストレッカーは、「T-SystemsとGoogle Cloudは欧州の政府や企業のために、デジタル主権、持続可能性、経済的目標を満たすクラウドベースのソリューションを開発するという共通の目標を持っています。我々は共にドイツのお客様に、急速に進化するデータ、運用、ソフトウェア主権の要件を満たすための安心感を与える主権型クラウドソリューションを提供します」と述べています。

GoogleはまたOVHCloud社との新たなパートナーシップを発表しました。これにより、OVHCloud社はGoogle社のAnthos技術をOVHCloud社のチームがヨーロッパで完全に運用・管理する新しいホステッドプライベートクラウドを提供します。

OVHcloudのCEOミシェル・ポーリンは、「Google Cloudとの提携により、ヨーロッパで高まるデータ主権の要求に応える革新的なソリューションを共同で提供できることを誇りに思います」と述べています。「私たちは共に、Google Cloudのパワーを最大限に活用し、一般データ保護規則の要件を満たしながら、顧客のデータ、ソフトウェア、運用を完全にコントロールできる主権的なクラウドサービスのポートフォリオを構築しています」。

持続可能性の面では、Googleはカーボンフットプリントについて発表しました。これは、Google Cloud Platformの使用に伴う二酸化炭素の総排出量を、電力購入契約(PPA)によって相殺される前の状態で顧客に提供する新製品です。この製品により、企業はクラウド利用時の電力に関連する二酸化炭素の総排出量を測定、追跡、報告することができ、社内のカーボンインベントリや社外のカーボンディスクロージャーのために、エネルギー関連の排出データを開示することができます。現在、すべてのGCPユーザーに無料で提供されています。

AWSは、Outpostソリューションによるオンプレミスの提供と、Local and Wavelength Zoneによるエッジソリューションを提供しています。マイクロソフトは、Azure Stackと呼ばれるオンプレミス型とエッジ型のクラウドソリューションを提供しています。オラクルもオンプレミス型のクラウドアプライアンスを提供しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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