中国CMIが東西を結ぶデータセンターを英国に開設
China Mobileの子会社であるChina Mobile International(CMI)は、英国ロンドン近郊のスラウ(Slough)に1.600ラック、10MW規模のデータセンターを開設しました。この新たな施設は中国とヨーロッパを結ぶ重要な一歩になると言います。
このデータセンターは、バークシャーの Slough Trading Estate (スラウ工業団地)に12月初旬にオープンしました。 3本の個別の光ファイバ回線を引き込み、Uptime Instituteの Tier III認定を受けています。
新たなシルクロード
中国政府はこのプロジェクトで、陸海双方のネットワーク網を通じ、アジア・ヨーロッパ間のより緊密な結びつきを狙っています。以前から「新たなシルクロード」として知られていた一帯一路構想は、中国の習近平国家主席により2013年に開始されました。 CMIによると、英国は高いファイバ回線密度、安定した電力、及び熟練した労働力などの理由で理想的な場所であると言います。今回開設された英国データセンターはシンガポールに新たに開設されたCMIのデータセンターや香港にある既存施設との接続を確立します。
同社によると、スラウのデータセンターは、 Transit Europe-Asia 2 (TEA-2) 、 Transit Europe-Asia 3 (TEA-3) 、 Europe-Russia-Mongolia-China (ERMC) 、及び Diverse Route for European and Asian Markets (DREAM) ネットワークに接続されます。この一連の接続により、スラウデータセンターは中国国内の31の省と地域に渡る300以上の都市へのアクセスが可能となります。
CMIの会長兼CEOであるLi Feng博士は次のようにコメントしています。「英国での新データセンターの開設は、世界中で安全かつ信頼性の高い高速接続を推進していくというCMIのコミットメントの表れです。 」
「当社は、アジア太平洋地域とヨーロッパ間だけでなく、中東とアフリカ間においても、接続性、クラウド、及びコンテンツ配信ソリューションに関する顧客の強い需要を見続けている。」
2019年11月のDCD>Londonイベントで、CMIのEU及び米国のデータセンターマネージャーを務めるJack Ke氏はこの施設について説明し、またドイツのフランクフルトで建設中の小規模な施設についても言及しました。彼は、「現在、7つの主要なデータセンターが運用中あるいは建設段階である。」 と言います。
Belt and Road Initiative(BRI: 一帯一路)は、中国政府が採用したグローバル開発戦略です。中国の習近平氏は、2013年にインドネシアとカザフスタンを訪問した際に初めてこの戦略を発表しました。 “Belt” は道路や陸上インフラを指し、 “Road” は海路や海底ケーブルを指します。
習近平氏は2015年3月28日、 Boao Forum for Asia (BFA)の開会式に出席し、次のようにコメントしました。「この開発計画はオープンで包括的なものであり、排他的なものではない。中国だけがソロ演奏するものではなく、一帯一路のルート上の全ての国による真のコーラスなのです。」
Data Center Dynamics
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