Facebookの運営会社Metaがゼーウォルデのデータセンターを正式中止

オランダ最大のデータセンターとなる予定だったものが、実現しない結果になりました。

FacebookのオーナーであるMetaがゼーウォルデに計画していた巨大データセンターは、3月にプロジェクトが一時停止されたのに続き、正式に中止となりました。

この施設は、5つのデータホールにまたがり、フル稼働時には200MWを消費し、オランダ最大のデータセンターキャンパスになるはずでした。昨年初めて明らかになったこのデータセンターは、同国フレヴォラント州でのデータセンターの新規建設が禁止される直前に提案され、モラトリアムが施行される前にこじつけで建設されました。しかし、このプロジェクトが実現したのは、そこまででした。

当初はゼーウォルデ町が承認していたものの昨年末にオランダ上院は、この施設が建設される予定だった土地のうち、政府が所有する土地の一部を売却することを一時停止しました。

3月、オランダの議員たちは、土地を売却するかどうかを議論する中で、あらゆる用地準備を停止することを決議しました。その1カ月後、彼らは「現時点では」土地を売却する予定はないと発表しています。

当初は検討すると言っていたMeta社、これで正式にデータセンター計画を中止することになりました。「データセンターの立地を検討する場合、環境とのマッチングを優先する。最終的に、ゼーウォルデにデータセンターを建設するのは正しい投資ではないと判断した」と、同社は地元メディアに声明を出しています。

また同社広報担当者は、「このプロジェクトを効率的に完了させるために、自治体とは協力していない」と付け加えました。

このプロジェクトは、オランダでデータセンターに対する敵意が高まっていることを背景にしています。

オランダ政府は2月、データセンター業界に対する新しい規則を策定するため、9カ月間、大規模なデータセンターの新設を禁止しました。

このルールは、6月にオランダの内閣がハイパースケールデータセンターをより長期間にわたって厳しく規制する決定案を承認したことで前進し、現在は上院と下院に提出されています。

この法律では、自治体がゾーニング計画や環境計画で新たなハイパースケールデータセンターを認めることを阻止し、大規模データセンターの開発を実質的に禁止することになります。ハイパースケールデータセンターとは、10ヘクタール以上で、電力需要が70MW以上の施設と政府は定義しています。

フローニンゲン州とノールドホランド州は免除されています。しかし今週、ノールドホランド州の自治体であるホランドクルーンは、ハイパースケール開発を一時停止する措置を取っていると述べました。

エームステルダ自治体のアッピンゲダムにある200MWのプロジェクトも、モラトリアムに従って一時停止されています。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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