風力発電機のタービン内部にデータセンターを作る – windCORES社
WindCoresプロジェクトでは、風力タービンの中に小さなデータセンターを配備
ドイツの風力タービン事業者WestfalenWind-Groupは、データセンターを風力タービン内に設置する計画を進行させています。
現在、子会社のWestfalenWind ITが設計したWindCoresプロジェクトでは、パーダーボルン大学との共同研究で、1年以上にわたって風力タービン内の小さなデータセンターを運用しています。
同社は、今後も規模を拡大し、サーバーとストレージ拡大のために富士通に、ホスティングとクラウドサービスの処理のためにGreen ITSystemに注目しています。
風に吹かれて
WestfalenWind IT Groupの共同設立者であるGunnar Schomaker博士は次のように述べています。
「風力タービンの塔の中には、ITインフラ機器に使用できるたくさんのスペースがあり、低排出ガスデータセンターが実現できます。Green IT社のようなプロバイダーは、WindCoresを利用することで、新しく差別化されたクラウドサービスのポートフォリオを提供することができ、それによってユーザーに低コストかつ持続可能で、しかも二酸化炭素排出量の削減というメリットをもたらします。」
Green IT社の最高情報責任者であるChristian Hoffmeister氏は次のように述べています。
「私達は、持続可能でエネルギー効率とコスト効率の良いITソリューションを顧客に提供することに注力しています。残念ながら、多くのデータセンターでは、通常時は化石燃料や原子力発電などを使い、障害時のバックアップ電源としてディーゼル発電機を備えながらエネルギー源を確保しています。WestfalenWind ITが提案するWindCoresの解決策は、二酸化炭素の排出を抑えたカーボンニュートラルな合理的な手段です」
各風力タービンは幅13m、高さ150mで、62Uのサーバーラックを収納する防火機能付きのキャビネットを4つ格納できます。
IT機器では、WestfalenWind ITとGreen ITが、FujitsuのPrimergyサーバーとEternusストレージシステムをインストールしました。
タービン内のデータセンターは、電力供給業者からも2系統電力を引いており、十分な風力がないとき(もしくは強風で風力タービンがダウンした時)でもN + 1の冗長性を担保して持続的に稼働するよう設計されていますが、これまでのところ、必要とされた電力の92%は風力タービンから直接供給されています。
彼らが主張するには、この風力タービンデータセンターは Uptime Institute の基準に照らし合わせるとTireⅢレベルに相当し、99.98%の 可用性 を実現しているとのことです。
データセンターとタービン
風力タービンは、データセンターへ電力を供給するために長い間使われてきました(が、風力発電機の中で直接データセンターを用いる取り組みは初でしょう)
Googleはノルウェー最大の風力発電所と12年契約を結んだが、Facebookはノルウェーの3つの風力発電所に変わり、Salesforceはカナダで40MWの風力発電を契約しています。これはほんの数例です。
データセンター自体は、風力発電所の役にも立っています。世界最大の風力タービン開発会社Vestas社では、レノボのスーパーコンピュータを使用してい、新しい風力発電所の建設場所を選ぶために世界中の風力のパターンなどを把握しようとしています。また、既存のタービンからデータを収集し、より効率的にタービンを稼動させるための計算もしています。
– Data Center Dynamics
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