データセンターに「軍人」を配備する
熟練した信頼できるデータセンターのスタッフ不足:退役軍人の雇用が答えだとSalute社は言う
データセンター事業者はスタッフを募集するのに苦労しています。この問題は、将来、中高年が定年を迎えるにつれてより深刻になるでしょう。施設を建設し維持するために必要なスキルと能力を備えた人が、どうやら十分にいないようです。
これに対する1つの答えは、予想外のところの人材ストックにあるかも知れません。Salute社は、退役軍人がその溝を埋めることができると確信しています。
組織はUptime Instituteの社長でもあるL.カービー氏によって設立されました。民間のデータセンター業界や陸軍での彼自身の経験から着想を得たものです。何年もの間、カービー氏は予備役を務めながら技術業界でも働いていました。9/11以降、彼は召集を受けて、イラクやアフガニスタン、ハイチに従軍しました。
2012年、カービー氏は10年以上の実戦経験を持つ大佐として退役しました。
退役した時、彼は何かに気付きました。「従軍し、仕事を失い、生計を失った多くの仲間がいました。私が退役した時、4年間の兵役を務め上げた若手の兵士は20%を超える失業率に苦しんでいました ― 兵役のせいです」
兵役召集
軍人は民間のビジネス世界にも容易に移行できるスキルと性格を持っています。特に、データセンター業界のエンジニアリングプロジェクトで活躍できる人材であると、彼は述べました。彼らはチームワークに秀で、しばしば故郷から遠く離れて、自分で機器を保守しながら運用する方法を熟知しています。
障害が1つありました:「未経験者不可」そして、退役軍人の何人かは体も弱ってきています。「採用時、退役軍人の12%はホームレスなのです」カービー氏は指摘しました。
現実的に困難であるにも関わらず、カービー氏は潜在的人材があると確信しており、就職の可能性がある職業訓練への道があると信じていました。「私は歩兵や憲兵を雇うことができます。2年後、彼らはデータセンターの技術者になります」
5年後、Salute社は退役軍人200人以上をプロジェクトに迎え入れました。慈善事業ではありません。契約を獲得し、その仕事のためのスタッフを雇うのです。慈善事業として運営されているならば、スタッフは競争力のある経験を得ることができず、組織は助成金を得ることに集中しなければならなかったでしょう。
「顧客目線で言うと、 ホットアイル や コールドアイル を設置するようなプロジェクトがあります」と彼は説明しました。「我々は競争し、契約を獲得します。プロジェクトに自分のスタッフを入れるだけです」
Saluteは契約を勝ち取ることができると、彼は言いました。経験が足りないかも知れませんが、軍人は信用できると証明されているからです。ビジネスで勝つためには、Saluteは信頼を得なければなりません。
Saluteのビジネスの約半分はプロジェクトベースです。現場に目に見えるスタッフを提供するものも一部あります。ネットワークオペレーションセンター(NOC)の業務とセキュリティガードの業務を組み合わせたマルチタスクのスタッフかも知れません。「多くの現場ではエンジニアが必要なのではなく、信頼できる人が必要なのです」
競合他社とは違って、Saluteはスタッフの保持には注力していません。それは採用活動の踏み台になることを目指していて、彼らがキャリアアップのため退職する時は喜んで見送ります。「Saluteはキャリアパスではありません」とカービー氏は言いました。「年間25〜30%の退職を見込んで、人材雇用をしています」
あるSaluteの卒業生はリーダーシップチームに残り、退職したものの業界に留まっている人たちとは友人のままです、と彼は言いました。
熟練オペレータ
Saluteで働くサービススタッフは遠隔プロジェクトにまさに適していて、半分自律的に作業しています。「典型的な歩兵を例に挙げると、彼は武器、車両、通信システムをメンテナンスします。地元の人々と協力し、危険な機器も何とか対応し、予期せぬ出来事にも対処しなければなりません」
「それと同等レベルの訓練や経験は民間にはありません」とカービー氏は語りました。「軍人は適応と習得が迅速で、コミュニケーションと調整について訓練を受けています」
欠点があるかも知れないことは彼も認めています。退役軍人には外傷後ストレス障害(PTSD)がある可能性がありますが、それだけではありません:「統計的には、「正常な」人間は多くの問題を抱えています - 退役軍人にはPTSDがプログラムされています。私は負傷し、そのトラウマが残ることが何であるかを実体験しています - それが支援を得るポイントでもあります。
PTSDを抱える退役軍人の割合は、全人口の割合よりも低いかも知れません。組織を健康に保ちながら、症状があるスタッフの扱いにもSalute熟練していると彼は言います。
Saluteは米国で営業していますが、英国、アイルランド、オランダにも拡大しています。それだけでなく、Saluteは他の国々の相談役な役割を果たすことも可能です。中国出張では、カービー氏はSaluteの海外支店について助言を求められましたが、ロシアや中国のような場所でのプロジェクトは、その国の退役軍人によって行われるべき、と述ました。「どの国でもできます。Saluteは同盟国には最善の支援をします」と述べています。
通常のメディアの決まり文句をよそに、退役軍人の15%は女性です。Saluteは、業界で過小評価されている失われた才能の解決を支援します。また、その網を拡げ、未開拓の別の人材資源、軍事パートナーと協力することもできます。「軍人の配偶者に働きかけることを始めました」Saluteの顧客はこれに関心を持っています。「軍人の配偶者にはプロジェクトマネジメント経験があります。マルチタスクを教えることは非常に難しいですが、軍人の配偶者はパートナーが召集された時にはそれに対処しなければなりません」
Saluteは急速な成長は計画していません。「新規株式公開は考えていません。業界で持続可能なビジネスを今は展開します」とカービー氏は述べました。しかし、この取り組みによって将来的に資本提携先を得るかも知れません。
カービー氏の第一の目標は、既に会費を払った人々に着実に機会を提供することです。「彼らは兵役に就き、帰ってきました。彼らが必要としているのはチャンスです。施しを探している訳ではありません」
– Data Center Dynamics
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