ソニーとJAXA、宇宙空間で100Mbpsのレーザー光イーサネットを確立

国際宇宙ステーションからの高速ダウンリンク

日本の宇宙科学機関JAXAは、ソニーの支援を受けて、国際宇宙ステーション(ISS)から100Mbpsイーサネットダウンリンクを介して高解像度の画像送信に成功しました。

ISSと地上局の間の双方向レーザーリンク(SOLISS:Small Optical Link for International Space Station)は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立情報通信研究機構(NICT)、ソニーコンピュータサイエンス研究所によって設立されました。

ビームダウン

このプロジェクトでは、ISSの日本実験モジュール(JEM:きぼう)とNICTの光地上局の間で衛星レーザー技術を使用した宇宙で最初の双方向イーサネット接続を確立しました。光通信ユニットにはソニーの光ディスク技術が採用されています。

JAXAとソニーは、衛星間および衛星から地上へのリアルタイムのデータ通信システムの実現を目指しています。

レーザー光は帯域幅を調整する物理的な能力があるため、この目的においては電波よりも優れていると言えます。イーサネットプロトコルと確立された光ディスク技術を使用することで、結果として得られる技術を非常に高速へとアップグレードでき、低レイテンシの衛星間通信及び宇宙から地上への通信を将来的に手頃な価格で展開できます。

– JAXA / Sony CSL

JAXAらは、2016年に研究開発を始め、2017年に共同作業を開始しました。先週の発表は、数か月の展開作業を経て行われました。

システムは9月にロケットでISSに輸送され、きぼうの露出した施設に設置されました。天候が許せば、週に1回程度テストと調整が行われました。2019年10月25日には、SOLISSから光学地上局への光ダウンリンク(方向制御)が確立され、今年3月5日に、 地上局との間で1.5 µm帯のレーザー光による双方向レーザー通信が確立されました。そして3月11日に、最初のHD画像が受信されました。

現在行われている一連の実験では、リンクの安定性の改善を2020年6月まで継続し行われます。

「国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験モジュール(JEM)「きぼう」は、地球から約400 kmの低地球軌道にある恒久的な実験施設です。」とJAXAの有人宇宙技術部門長を務める佐々木宏氏は述べています。(佐々木氏は、ダウンリンクがISSの民間利用を拡大できると付け加えた)「宇宙探査イノベーションハブから生まれたこの技術が月や火星など将来の宇宙探査における地球周回軌道との大容量通信を実現するための礎となることを期待しています。」

NICTの理事を務める門脇直人氏は、次のように述べています。「この技術は、従来の静止衛星だけでなく、現在構築が進みつつある低軌道衛星メガコンステレーションによるブロードバンド衛星通信システム等における利活用も期待されています。今後、商用化に向けた技術開発の進展に期待します。」

– JAXA / Sony CSL

ソニーCSL社長の北野宏明氏は、次のように述べています。「ソニーが長年培ってきた光ディスク技術では、1mm以下のとても短い距離で光を制御していますが、今回、この技術が宇宙と地上間という長距離空間でも適用可能なことが実証されました。この技術は高精度、低消費電力だけでなく、機器が小型で量産が容易であることから、新しい機会を提供できると考えています。」

Data Center Dynamics

原文はこちら