マイクロソフトがAT&TのNetwork Cloudを買収、AzureがAT&Tの5Gネットワークをホスト

マイクロソフトは、買収により大規模なクラウド契約を獲得しました。

同社は、AT&TのNetwork Cloudの技術と知的財産を買収するとともに、AT&Tのエンジニア数百人に対し求人を提示します。

その見返りとして、AT&Tは同社の5GモバイルネットワークをAzureに移行します。両社は、まずAT&Tの5Gコアから開始し、そこから拡大を進めていくとしています。

このパートナーシップは、AT&Tがバックエンドオフィス環境をMicrosoft Azureに移行した20億ドル規模の既存取引に基づいています。マイクロソフトは、AT&Tの「非ネットワークアプリケーション」の優先クラウドプロバイダーとなり、その多くがAzureへと移行します。

両社は、5G対応アプリケーションやエッジアプリケーションを相互の顧客に提供するための提携も行っていましたが、このプロジェクトは範囲が限定されていました。

その一方で、AT&Tは選択肢を広げていました。IBMと「複数年の戦略的パートナーシップ」を締結し、多くのAT&T Businessワークロードを同社のクラウドに移行させました。IBM Red Hatソフトウェアを使用するこの契約では、IBMはAT&Tのマルチクラウド戦略の管理を任されることになりました。

AT&Tは2016年にも、IoT、サイバーセキュリティ、クラウド技術に関してAmazon Web Services(AWS)と提携しています。2017年には同社はその提携について再確認しています。

Googleも、そのような状況にあります。Anthos for Telecomを発表した際に、同社はAT&Tと提携して、小売業、製造業、運輸業などの業界向けの5Gエッジコンピューティングソリューションのポートフォリオのテストを行っていくとしていました。

そして現在、AT&Tは同社のIT及び5Gの大部分を、マイクロソフトに売却する部門を介してMicrosoft Azure上で実行していくようです。

AT&TのCTOであるアンドレ・フエッチ氏は、「AT&Tは、何億もの加入者にサービスを提供する、世界で最も強力なグローバルバックボーンネットワークの1つを持っている」と話しています。

「AT&Tのネットワーク・クラウド・チームは、ネットワークをクラウド上で運用することで、スピード、セキュリティ、コストの改善、そしてイノベーションが促進されることを証明してきた。マイクロソフトがこれらの資産を買収することを決定したのは、AT&Tのネットワーク仮想化におけるリーダーシップ、イノベーションの文化、そして通信事業者レベルのクラウドスタックの実現を証明するものである」

マイクロソフトは、このチームとIPを、より広範なAzure for Operators部門の一部とし、他の通信事業者にもこの技術を提供することを計画しています。

マイクロソフトのAzure EVPであるジェイソン・ザンダー氏は、「Azureを利用することで、通信事業者は、より柔軟でスケーラブルなサービスモデルを提供し、インフラコストを削減でき、そしてAIを利用することでオペレーションを自動化し、顧客サービスを差別化することができる」と述べています。

「AT&Tとの協業を通じて、マイクロソフトは通信事業者向けのポートフォリオを拡大し、マイクロソフト・クラウドと事業者ネットワーク間でシームレスな体験を提供するキャリアグレードのクラウドで事業者をサポートしていく」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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