Linux Foundation、SmartNICの標準化推進を開始

Open Programmable Infrastructure プロジェクトは、エコシステムの構築に期待

オープンソース団体のLinux Foundation は、データセンターのネットワーク・アーキテクチャを近代化する電子機器の標準化を目指す活動を開始しました。

OPI(Open Programmable Infrastructure)プロジェクトは、ネットワーク・インターフェイスカードから開発されたスマート技術を構築するベンダーのためのエコシステムの構築を目的としています。DPU や IPU としても知られる SmartNIC は、より柔軟なネットワークインフラを可能にするものですが、Linux Foundation は、この技術を迅速に普及させるために、いかなる API (アプリケーションプログラミングインターフェース)もオープンかつ標準ベースであることの確認を求めています。

OPI の設立企業には、Dell、F5、Intel、Keysight、Marvell、Nvidia、Red Hat らが名を連ねています。

SmarNICをよりスマートに

 DPU や IPU としても知られるSmartNICは、プログラマブルなネットワークインフラを実現し、アプリケーションのパフォーマンスやポータビリティを向上させることができます。この団体は、シリコンやデバイスメーカー、ISV、試験・計測パートナー、OEMからエンドユーザーに至るまで、より多くのメンバーを募集しています。

Linux Foundation のプロジェクト担当上級副社長 Mike Dolan 氏は、次のように述べています。「新しい技術が生まれた際、技術革新とビジネス革新の両方の機会があるが、オープン スタンダードやそれをサポートする活発なコミュニティが存在しないことが障害になることがよくある。DPU と IPU は、クラウドやデータセンターで現在最も有望とされる技術の素晴らしい一例であり、OPI は DPU と IPU 技術のエコシステムをサポートすることで、その普及と機会を促進する態勢を整えている」

ネットワークを合理化し、より柔軟にすることで、DPUとIPUは、ストレージやGPUアクセラレータなどのリソースを活用する新しい方法を可能にします。基本的にネットワークをインテリジェント化することで、これらのリソースをインラインで使用できるようになり、すべてをCPUで管理するというボトルネックを減らすことができます。

OPIプロジェクトは、この定義を標準化しようとするものです。NvidiaやFungibleのような新たなプレーヤーがDPU(データ・プロセッシング・ユニット)について語る一方で、IntelはIPU(インフラストラクチャ・プロセッシング・ユニット)と呼ばれる広義の類似製品を展開しています。この団体では、異なるDPUやIPUがハードウェアやアプリケーションのソフトウェアスタックと連携できるように、ベンダー依存のないフレームワークについても設定していく予定です。

この団体は、DPUの標準化作業がDPDK、SPDK、OvS、P4、Linuxカーネルといった他のオープンソースプロジェクトとうまく統合されるようにするためにも重要な役割を果たすはずです。

すでにいくつかのワーキンググループがあり、そこではCPU、IPU、DPU、スイッチ上で動作するインフラストラクチャ・オフロード用のドライバとAPIを含むIPDK(Infrastructure Programmer Development Kit)の構築を目指しています。

尚、Nvidiaは、同社のBlueField DPU用のオープンソースソフトウェア開発フレームワークであるDOCAを寄贈することを申し出ています。

「データセンター事業者は、様々な業界セグメントにおいて、複雑なワークロードを汎用プラットフォームからより堅牢なコンピュート・プラットフォームにオフロードするために、インフラ処理の不可欠な要素としてDPUを採用するようになってきている」と、Marvellのソフトウェアおよびサポート、プロセッサー担当副社長のCary Ussery氏はこのように述べています。「Marvellは、エコシステムにおけるソフトウェアの標準化が、ワークロード高速化ソリューションの成功に大きく貢献すると強く信じている。OPI プロジェクトの創立メンバーとして、Marvellは、ワークロードのプロビジョニング、ライフサイクル管理、オーケストレーション、仮想化、および展開に使用されるソフトウェア フレームワークの標準化ニーズへの対処を目指している」

「データセンターの基本アーキテクチャは、プライベートクラウドやハイパースケールクラウド、AIなどの需要に応えるために進化してきており、Nvidia BlueFieldなどのDPUやNvida DOCAなどのオープンフレームワークが実現する極めて高いパフォーマンスが求められている」とNvidiaのネットワーキング担当副社長のKevin Deierling氏は述べています。「これらはOPIをサポートし、共通のマルチベンダー管理およびアプリケーションによって実現される、エクストリーム・アクセラレーションをBlueFieldユーザーに提供する」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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