カカオ、企業およびカカオトーク利用者に対し、データセンター火災の補償を開始

小額の損害賠償と絵文字パッケージの無償配布を実施

カカオは、昨年10月に発生したデータセンター火災について、企業およびカカオトーク利用者への補償を開始しました。

12月29日、カカオは「1015被害支援協議会」による被害支援策を発表しました。同協議会は、10万件以上の被害事例を分析しました。その中で金銭的な損害賠償請求があったのは、有料サービスが1万4918件(17.1%)、無料サービスが約1万3195件(15.1%)であったといいます。

10月に発生した火災により、メッセージングサービスだけでなく、ソーシャルメディア、ビジネス、金融、交通など、韓国内のさまざまな分野で127時間にわたる大規模な障害が発生したことを受け、カカオは売上減の報告があった小規模個人事業者にたいして3万ウォンから5万ウォンの賠償金を支給する予定であると説明しています。

また、同社はさらなる補償として、昨日からカカオトークのユーザーに3つの絵文字パッケージの送付を開始しました。

カカオは「昨年のSK C&Cデータセンターの火災による被害を補償するため、3つの新しい絵文字を含む “ハートパッケージ “を配布する予定」と発表しました。

3つの絵文字のうち、1つだけが永久に無料となります。残りの2つは90日後に失効します。さらに、先着300万人にデータバックアップサービス「Talk Drawer Plus」の1ヶ月無料利用券が提供さ れます。なお、最初の1カ月が過ぎると、自動的に利用料が発生する仕組みです。

カカオの関係者は、クーポンの受取人に通知メッセージを送り、クーポンの有効期限が切れる前に「請求書払い」機能を自動的にキャンセルできるようにすると説明しましたが、この補償方法に対して同社は批判にさらされています。無料トライアルは、サービスの品質によってユーザーに加入を継続してもらう、あるいは解約し忘れることを期待して、業者が提供することがよくあります。会社側としては一時的に金銭的な損失が出るかもしれないが、カカオはある程度の収入を得ることができると思われます。

プレスリリースで、同社は次のように述べています。「この2ヶ月間、カカオは様々な業界の意見を聞き、ユーザーにとって現実的な助けとなるような計画を立てるために多くの考えを巡らせてきました。しかし、このような努力にもかかわらず、私たちが用意したプランがすべての人を満足させることができないことは十分承知しています」

「今回発表した支援策が終わりではなく、信頼回復の始まりとなるよう、今後も皆様のコミュニケーションをより強固につなぐプラットフォームとなるべく、最善を尽くすことをお約束いたします」

今回の障害の原因となった火災は、昨年10月に韓国の大手インターネット企業であるカカオとネイバー社のデータセンターがあるSKグループのパンヨのビルで発生し、カカオトークに影響を及ぼしました。

カカオは運用のレジリエンス性に関して政府関係者から一喝さ れましたが、SKはSK On製のリチウムイオン電池が原因となったこの火災に「全責任」を負っています。

カカオトークは韓国の人口の大半が利用しており、”実質的な国家通信インフラ “と見なされています。同社はここ数ヶ月、集団訴訟を含む余波への対応に追われ、昨年第3四半期末には第4四半期の収益に2800万ドルの打撃を与えると予想していました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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