マイクロソフト、プライベート・エンタープライズCDNサービスを発表
全社タウンホールミーティング、研修ビデオなどに最適化されたeCDN
マイクロソフトは、プライベート・エンタープライズ・グレードのコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)ソリューションを発表しました。
エンタープライズ・コンテンツデリバリーネットワーク(eCDN)とは、プライベートインフラを活用してコンテンツを配信するコンテンツ配信ネットワークです。これは一般向けに提供されている従来の CDN と非常によく似た技術ですが、企業内ネットワークへの負荷を軽減するため、企業内のライブビデオストリーミングや配信用にネットワークパフォーマンスが最適化されています。
一般のCDNは伝統的に、インターネット全体にコンテンツを提供し、CDN事業者によって管理され、使用した分だけ支払う料金モデルに基づいています。一方eCDNは、企業のファイアウォール内部でコンテンツ配信するため、プライベートインフラが使用されます。
ユーザー数では一般CDNの方がより多いでしょうが、eCDNの場合は狭いエリア内でより高密度になる可能性があります。例えば、タウンホールミーティング(対話集会)で、1つのオフィスビルから数千のユーザーが同時にアクセスするような場合です。
マイクロソフトは、この新しいeCDNを、組織全体のライブビデオストリーミングを強化するために設計していると述べています。このサービスは、ピアツーピア・ストリーミング技術を活用したWebRTCベースのソリューションで、1ユーザーあたり月額0.50ドル、年間サブスクリプションで利用できます。
「昨年Peer5社の買収を完了後、我々は新しい時代のコミュニケーションに向けたより良いハイブリッドワークプレイスの構築に取り組んできた。この1年間、マイクロソフトとPeer5は、Peer5とMicrosoft Teamsの統合により、そのビジョンを実現するために尽力してきた。Microsoft eCDNにより、組織はグローバルミーティング、オールハンズ(全社会議)、タウンホール(対話集会)をシームレスかつ安全にライブストリーミングしたり、全社的なトレーニングを配信することもできるようになる」 と同社は述べています。
マイクロソフトは、eCDNのメッシュネットワークはセルフバランスで、視聴者数の増加に応じて自動的に拡張されるとし、Office 365準拠のマイクロソフトのクラウド上で構築・管理され、HLSベース(HTTPライブストリーミング)であれば、サードパーティのビデオプラットフォームと互換性があると述べています。
また、マイクロソフトは、2018年後半に一般利用可能となったAzure Content Delivery Networkと呼ばれるパブリッククラウドベースのCDNサービスも提供しています。
マイクロソフトは2021年8月にPeer5を買収し、この買収によりMicrosoft Teamsのライブビデオストリーミングが強化されるとしていました。Peer5は、帯域幅の使用を最適化するためにブラウザ内で動作するWebRTCベースのeCDNソリューションを提供していましたが、現在でもMicrosoftベースではない製品を提供しているようです。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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