2024年第1四半期コロケーション大手実績~Digital Realty、Iron Mountain、American Tower、Equinix
Digitalの収益は再び減少、IMとATは成長
コロケーション企業のDigital Realty、Iron Mountain、American Tower、Equinixが 2024年第1四半期決算を発表しました。
Digital Realtyは、第2四半期連続で前四半期比、前年同期比ともに減収となりました。同社は、安定化したデータセンター株式の過半数をGIに売却し、大阪で18MWのデータセンター用地を取得しました。
Iron Mountainは、当四半期に30MWの容量をリースし、フェニックスで新規データセンターの着工を行い、3億ドルのグリーンローンに調印しました。
American Towerは、データセンターの収益・利益とも増加し、開発中の容量がこれまで以上に増加しました。
Equinixは若干の増収を記録し、当四半期中に48MWのハイパースケール容量をリースしました。
Digital Realtyは減収、シカゴデータセンターの株式をGIに売却
Digital Realtyの2024年第1四半期収益は13億ドルで、前四半期比3%減、前年同期比1%減となり、第2四半期連続の減収となりました。調整後のEBITDAは7億1100万ドルで、前期比2%増、前年同期比6%増でした。
同社のCEOであるAndy Powerは、次のように述べています。「 Digital Realtyは、第1四半期に加速する需要を目の当たりにし、ハイブリッドマルチクラウドの要件をサポートし続けながら、AI 向けの多面的な機会を数多く実行しました。この需要をサポートするため、資産売却や合弁事業を通して10億ドル超の資本を新たに調達し、報告されているレバレッジをさらに削減すると同時に、顧客の増大するニーズに応えられるよう会社を位置づけました。」
当四半期中同社は、GAAPベースで年間2億5,200万ドルのレンタル収入が見込まれる契約を締結したほか、2億4800万ドルの収益に相当する更新リースにも調印しました。
また、同社はオーストラリアのシドニーにある19エーカーの空き地を約9,600万豪ドル(6,300万米ドル)で売却しました。
さらに、バージニア州のデジタル・ダレス・キャンパスに、マース変電所を建設するため、Dominionとの間で土地の地役権に関する合意に達し、約9200万ドルを受領しました。
第1四半期中、三菱商事との合弁会社であるMC Digital Realtyは、大阪で最大18MWのIT負荷開発をサポートできる5エーカーの土地を、約10億円(700 万ドル)で取得しました。
Digital RealtyとGI Partnersは、シカゴで既存の合弁事業を拡大しました。GI は、昨年株式を取得した他の2社と同じキャンパスにある、安定化したデータセンターの75%の権益を取得しました。
Digital Realtyは、約3億8800万ドルの総収入を獲得し、合弁事業の25%の持分を維持しています。GIは1月、当初の2つのデータセンターへの出資比率を65%から80%に引き上げるオプションを実施しました。
同社はまた、フランクフルトのデータセンターの24.9%の追加持分を、Digital Core REITに1億1700万ユーロ(1億2900万ドル)で売却しました。
決算説明会で、CEOのAndy Powerは、「ラウドン郡で80MWの容量をリースした」とも述べました。同社は、ラウドン郡にあるデジタル・ダレス・キャンパスの最初の建物内で、約80MWの残りの容量をリース可能としています。
同社の最高収益責任者であるColin McLeamは、「今四半期の同社の予約の『約50%』は、クラウドプロバイダーや企業などが求めるAI導入向けだ」と述べました。
Equinixは48MWのハイパースケール容量をリース
2023年第1四半期の売上高は、21億3,000万ドルで、前四半期比1%増、前年同期比1億3,000万ドル増加しました。
純利益は、2億3,100万ドルで、前期比2%増、調整後EBITDAは9億9,200万ドルで、前期比8%増、いずれも前年同期比では減少しています。
EquinixのCharles Meyers社長兼CEOは、次のように述べています。「わが社は、好調なスタートを切り、第1四半期は、前年同期比6%増の21億ドルの収益を達成しました。急速に進化するAI環境は、経済拡大の起爆剤として機能し続けています。お客様が長期的な収益拡大と、業務効率化の推進におけるデジタルイニシアティブの重要を認識する中、わが社は計り知れない可能性を生み出しています。さまざまな分野のお客様からの強い需要により、Platform Equinixは、世界を動かす基盤となるデジタルインフラを相互接続し、強化するデジタルリーダーにとって、信頼できるパートナーとして位置づけられています。」
当四半期には、フランクフルト(10x-1、2025年第1四半期予定)、マドリード(3x-3、2024年第3四半期予定)、大阪(5x-1、2027年第1四半期予定)、シリコンバレー(SV18フェーズ1、1,350ラック、2026年第3四半期予定)で新規プロジェクトを立ち上げました。
Equinixは、メキシコシティ(MX2フェーズ3、1,200ラック)、ムンバイ(MB4フェーズ1、350ラック)、パリ(PA10フェーズ2、700ラック)に3つのIBXプロジェクトを開設しました。また、クアラルンプールで、KL1フェーズ1(450ラック)、ソウルでSL4フェーズ1(475ラック)を立ち上げました。
同社はまた、これまでリースしていたダブリン2、ムンバイ2、ストックホルム3の各拠点も購入しましたが、条件は共有されていません。また、英国マンチェスターの、MA2からは撤退しました。
xScaleのハイパースケールブランドでは、フランクフルト10x-1(14MW)、大阪4x-1(14MW)、大阪5x-1(19MW)で48MWの容量を、プレリースしました。同社はまた、メキシコシティ3x-1(7MW)をリースしました(稼動開始時期を2024年第4四半期に前倒し)。
本稿執筆時点では、同社はまだ決算説明会を開催していません。
Iron Mountainは第1四半期に30MWをリース、バージニア州での建設に向けてグリーンローンに調印
2024年第1四半期、Iron Mountainのデータセンター部門の収益は、1億4,390万ドルで、調整後EBITDAは6,150万ドルでした。ちなみに、その前期のデータセンター事業の収益は1億3,710万ドル、2023年第1四半期は1億1,230万ドルでした。
会社全体で見ると、第1四半期収益は15億ドル(2023年第1四半期は13億ドル)でした。当四半期の純利益は7,700万ドルで、2023年は6,550万ドルでした。また、調整後EBITDAは5億1,890万ドルで、 前年の4億6,080万ドルから増加しました。
Iron MountainのCEOであるWilliam L. Meaney は、次のように述べました。「2024年のスタートが好調に推移し、過去最高の売上高と、過去最高の調整後EBITDAを計上できたことを嬉しく思います。当社の事業は、順調に推移しており、成長軌道を継続できる態勢が整っています。われわれのチームは、顧客に最高の統合ソリューションと、サービスを提供することに集中しています。一貫して好調な業績は、マッターホーン・プロジェクトを通じた、当社の戦略が功を奏している証拠です。」
同社は、2023年第1四半期に150件、合計30MWの新規と、拡張リースを契約しました。さらに、190件、合計5.7MWのリース契約を更新しています。
CEOのMeaneyは決算会見で、「バージニア州マナサスにある、同社キャンパスのデータセンタースペースについて、世界的なテクノロジー企業と24MW、12年間の契約を結んだ」と述べ、「この企業は北米の既存顧客で、ハイパフォーマンス・コンピューティング・ニーズをサポートし、フットプリントを拡大するため、バージニア州のスペースを必要としていました」と付け加えました。また、既存のクラウドストレージの顧客とも、4MWの契約を結んだようです。
拡張に関して同社は、アリゾナ州フェニックスで建設を開始し、2025年第4四半期に、10MWのAZP-3の立ち上げを目指しています。この施設は、合計30MWを供給できる予定です。
ドイツのフランクフルトにある、FRA-1のフェーズ2と3の立ち上げは、今年の第1四半期から、第2四半期に延期されました。また、英国ロンドンの、LON-2の拡張工事は第1四半期から、第3四半期と第4四半期に延期されました。
同社はさらに、バージニア州でのデータセンター増築を支援するため、4月に3億ドルのグリーンローンを実行したと発表しました。
American Towerは微増収増益
American Towerの、データセンター部門の2024年第1四半期の収益は2億2,500万ドルで、営業利益は1億1,500万ドルでした。
前四半期の同部門の収益は2億1,500万ドルで、営業利益は1億700万ドルでした。ちなみに、前年の2023年第1四半期収益は2億300万ドルで、営業利益は1億200万ドルです。
同社のCFOであるRod Smithは、決算説明会で次のように述べています。「データセンター事業の収益は10.6%増加し、当初の引受計画に対して好調を維持しています。ハイブリッドおよび、マルチクラウドのITアーキテクチャに対する旺盛な需要が継続し、過去2年間に契約した記録的な新規事業のバックログが意味のある形で開始され始めたためです。コアサイトでは現在、これまでにないほど多くのMWを建設中です。また、この需要サイクルが続くよう計画しています。しかし、その大部分はこれまで以上にプレリースされていることを、再度申し上げておきます。」
同社の、当四半期の総収益は28億ドルで、純利益は9億2,200万ドル、調整後EBITDAは18億ドルでした。
American TowerのCEOであるSteven Vondranは、次のように述べています。「2023年に見られた好調な業績は、当社の資産プラットフォーム全体の堅調な需要に支えられ、第1四半期も継続しました。米国と欧州で事業活動が加速していることや、新興市場の多くで新規事業が引き続き高い伸びを示していること、インドで回収が好調に推移していること、コアサイトでリース契約が第4四半期も好調に推移していることなどから、当社のグローバル事業は長期にわたり、質の高い経常的な成長を実現できる態勢にあります。」
同社は現在、40MWの容量を建設中で、その総面積は294,455平方フィートです。さらに、223MWを将来の開発用に保有しており、総面積は210万平方フィートとなります。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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