AIチップのスタートアップEtched、1億2000万ドルを資金調達しNvidiaに挑む

アルゴリズムに特化したこのチップは、Nvidiaが今後リリース予定のBlackwellよりも大幅に高速であると主張

人工知能(AI)チップのスタートアップEtched.aiは、シリーズA資金調達ラウンドで1億2000万ドルを調達しました。

このラウンドはPrimary Venture Partnersが主導し、PayPalの元CEO Peter ThielとAIソフトウェア開発プラットフォームReplitのCEO Amjad Masadが参画しました。

ハーバード大学を中退したGavin UbertiとChris Zhuが2022年に設立したクパチーノを拠点とする同社は、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を支えるニューラルネットワークアーキテクチャの一種であるtransformer モデルをトレーニング、展開、最適化するAIチップ「Sohu」を開発しました。

チップはTSMCの4nmプロセスで製造され、また、「トップベンダー」から高帯域幅のメモリとサーバーの供給を確保したと同社は述べているが、その社名は明らかにされていません。

Etched社によると、同社のアルゴリズム特化型 ASIC チップは、ディープラーニング推奨モデル(DLRMS)やリカレントニューラルネットワーク(RNN)など、多くの従来型AIモデルを実行することはできないが、その反面、Sohuは特定のtransformer モデルのみを処理するように設計されているため、従来のGPUよりも効率的であるといいます。

SohuはGoogle、Meta、Microsoft、OpenAI、Anthropicなど、現在利用可能なすべてのモデルをサポートしており、将来のモデルの微調整にも対応できると同社は説明しています。

また、SohuはNvidiaの次期Blackwell GPUよりも「桁違いに高速かつ安価」であり、8チップのSohuサーバーは毎秒50万以上のLlama 70Bトークンに対応しているとEtched社は主張しています。同社は、Nvidia H100サーバー用に公表されたMLperfベンチマークのデータを推定することで、このように判断しました。このベンチマークでは、8GPUサーバーで1秒あたり23,000 Llama 70Bトークンを処理できることが示されています。

TechCrunchのインタビューで、EtchedのCEOであるUberti氏は、1台のSohuサーバーは160台のH100 GPUを置き換えられるだろうと述べています。

「2022年、我々はトランスフォーマーが世界を支配するという賭けをした。「我々はAIの進化において、汎用GPUよりも優れた性能を発揮できる特殊なチップが必然的に必要とされる局面を迎えており、世界のテクニカル・ディシジョン・メーカーはこのことを知っている」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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