NvidiaのArm買収が破綻、Armは新CEOを任命しIPOの準備に
独立した新しいArmを率いるのはRene Haas氏
NvidiaはArm買収を断念しました。
英国、EU、中国の各国政府による詳細な調査や、FTCが買収阻止を訴えるなど、規制当局の圧力が強まり、両社は買収の打ち切りで合意しました。
チップを設計販売するNvidiaとは異なり、ArmはApple、Qualcomm、Amazonなど他のチップ企業に設計をライセンスアウトしています。この方法は、Armのチップ販売単価が著しく低いことを意味すると同時に、より多くの製品に搭載されることになります。
過去30年間で、Armが設計したチップは何千億個も出荷されています。
Nvidiaの創業者兼CEOであるJensen Huang氏は、「 Arm には明るい未来があり、私たちは今後数十年にわたり誇りあるライセンシーとして支援し続けます 」と述べています。
「 Arm は、コンピューティングにおける重要なダイナミクスの中心にいます。私たちは1つの会社にはなりませんでしたが、Arm と密接に連携していくつもりです。孫氏が Arm に行った多大な投資により、Arm CPU はクライアント コンピューティングだけでなく、スーパーコンピューティング、クラウド、AI、ロボティクスにまで活用の範囲が広がりました。Armは次の10年で最も重要なCPUアーキテクチャになるでしょう。 」
この買収は、2020年9月に現金400億ドルとNvidiaの株式という価格で初めて発表され、GPUメーカーのシェア向上で評価額は600億ドル近くまで急騰しました。
規制当局や批評家は、この買収が特にデータセンター・サーバー分野での競争を阻害すると主張しました。
Armのオーナーであるソフトバンクグループの孫正義CEOは、「 Arm はモバイル革命にとどまらず、クラウド・自動車・IoT・メタバースなどにおける技術革新の中心となり、第二の成長期に入りました。これを機に Arm を上場させ、更なる飛躍をしたいと思います。 」と述べています。
2023年3月期中の上場を予定しているArmはIPOの準備のため、CEOを交代しました。
Simon Segars氏が退任し、Arm IP Products GroupのトップであるRene Haas氏が後任に就任しました。Haas氏は、Armに9年間在籍する以前は、Nvidiaに7年間在籍していました。
「Armの市場機会がかつてないほど大きくなった今、世界で最も影響力のあるテクノロジーカンパニーを率いることは光栄です」とHaas氏は語りました。
買収条件の一部として、ソフトバンクはNvidiaが前払いした12.5億ドルを保持することになります。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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