ロックダウンで不可欠となったリモートDC管理ツール【特集】

ロックダウンにより、コロケーション事業者が利用顧客へのサービスを継続するには、リモートデータセンター管理ツールが不可欠になった

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、より多くの人々がリモートワークに頼るようになってきている中、世界中のデータセンターインフラは試されています。これには、コロケーション施設内でテナントのデータセンターインフラ基盤を預かり運用管理するエンジニアも含まれます。

現在データセンターの多くは、施設内へのウイルスの侵入を防ぐ目的で、顧客やベンダーの立ち入りを許可しなかったり、アクセスを厳しく制限したりしています。しかし、あるコロケーション事業者とその顧客は、このことで特に問題は感じていないと言います。

ロックダウン命令を実施する多くの管轄区域ではデータセンターをEssential(必要不可欠)なサービスと見なしている為、DC事業者の運用スタッフはサービス継続のために出勤できています。しかし コロケーション 設備の利用顧客は、物理的にセンターへの入館する事ができない場合があります。

顧客が施設にアクセスできなくなった場合、多くのユーザは、 リモートハンド サービスなどのリモートサポートオプションを利用しなければならなくなりました。しかし、電力、冷却、ネットワーク、物理的セキュリティ、その他の重要な機能を可視化するツールを使用すればインフラの監視はできます。

リモートツール、サポートサービスが重要に

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Uptime Instituteが3/30に発行したレポートによると、一部のコロケーション事業者は、リモート監視やITサポートチケット発行などの顧客ニーズを満たすために、 コロケーション事業者はデータセンターインフラ監視・管理(DCIM)の顧客向けオンライン・ポータルを利用していると言います。

コロケーション事業者も彼らのリモートハンド・サービスを促進していると報告書では述べています。これらのサービスは、IT機器の移動、追加、変更、メンテナンスなどを対象としています。サービスには、電源、ICT機器、ルータ、ファイアウォール、およびその他さまざまなデバイスの MAC (撤去・追加・移設)やトラブルシューティングなど、更には顧客に代わって機器の発送や受け取りなどの代行サービスも含まれます。

「安全なリモートアクセスソリューションに対する需要が高まっている。」と、グローバルデータセンタープロバイダーであるCyxteraのデータセンター製品担当バイスプレジデントのMitch Fonseca氏は述べています。

同社のデータセンタープラットフォームでは、構成管理ツールへのWebアクセスとAPIアクセス双方を提供するため、顧客のエンジニアが施設を訪問する必要性が減少しているといいます。

「新型コロナウイルスの危機とソーシャルディスタンスの必要性に伴い、企業はデータセンターのような重要システムへのアクセス方法を再考する必要に迫られている。」と彼は述べています。

欧米のデータセンター事業者の一部では従業員と顧客を保護するためにすべてのコロケーション施設への物理的なアクセスを制限し、リモートハンドサービスを使用せざるを得なくなっています。

「新型コロナウイルス感染症以降、前例のない物理セキュリティ対策を講じなければならなくなったため、すべてのコロケーション顧客に対してリモートハンドサービス料金を免除している。」とFonseca氏は言います。

「サービスを無償化にすることは、正しいことだった。」顧客はポータルにアクセスし、請求書、契約、およびアカウント情報なども任意のデバイスから確認できます。

ほぼすべてをリモートで

コロケーション利用顧客は、 より迅速かつ簡単にインフラを管理できるツールを長い間望んでいました。レポートを確認し、サポートをリクエストできる利便性は、氷山の一角にすぎません。

パンデミックにより、リモート管理ツールの需要がより加速しています。以前からこのような管理ツールによる運用を始めていたコロケーション事業者は、顧客のニーズを容易に満たすことができています。

ユーザは、Webブラウザやスマートフォン経由での操作を望んでおり、また最も先進的な顧客はAPI連携を希望しており、こういったニーズを抑えることは重要です。

たとえば、ある大手メディア企業は、テレワーク移行に伴うトラフィック上昇とニュースサイクルの要求の高まりに伴い、彼らのデータセンター機器のワークロードが急上昇しました。そのことはすぐにインフラ基盤への影響を及ぼしました。

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実際には、3架のキャビネットが熱だまりを起こしていました。以前では、顧客は自分たちのテナントスペースに立ち入る必要があったでしょう。しかし、彼らはリモート運用管理ツールを利用できたため、リアルタイムな電力分析で問題を確認し、そして別のキャビネットに利用可能な容量があることを確認し、そのキャビネットにリアルタイムに容量を振り替えることができました。彼らはこれらすべてをデータセンターに入館することなく実現しました。

但し、事業者側が変更を承認したり、機器に対し物理的なアクセスが必要な領域もまだ残っています。(例:電源設備や冷却設備など)

また、物理的なセキュリティ監視は完全にリモートで実現できます。もしパン・チルト・ズームの制御機能を備えた監視カメラが利用可能であれば、リモート制御も可能です。

今回のコロナ危機がデータセンターのリモートツールの重要性をクローズアップしました。しかし、平時であっても、コロケーションデータセンター事業者がテナント顧客に対し、どこからでもリモートで確認や操作ができるような利便性を提供する事は、サービス提供レベルを向上させ、事業者の付加価値を高めることに繋がります。

あらゆるものがリモートで繋がる時代、データセンターインフラのリモート管理ツールもいよいよ本格的な普及が始まります。

Data Center Knowledge記事より一部を引用・和訳し、DC ASIAにて編集