マイクロソフト、データセンターの遠隔監査にHoloLensの拡張現実を利用

マイクロソフトのクラウドオペレーションチームは、HoloLens 2のAR(拡張現実)グラスを使用して監査を遠隔で実施し、新型コロナウイルス (COVID-19) 感染拡大抑止に準拠しつつ、監査プロセスの時間と費用を抑えています。

Cloud Operations & Innovation部門は、HoloLens 2にMicrosoft Dynamics 365 Remote Assistを採用し、そのシステムを活用し、AzureプラットフォームがPCIデータセキュリティ基準のような数々の基準に準拠しているかどうかの監査を行うスタッフの作業を効率化・簡略化しました。

ARがAzureを遠ざける

「データセンターのコンプライアンス監査は、これまで時間とコスト、そして移動交通費がかかるものだった」とマイクロソフトは声明でこのように述べています。「物理設備、スタッフ、データ運用がコンプライアンス基準に記載されているあらゆる要件を満たしているかどうかを綿密に確認するには、従来は外部監査人とマイクロソフトのスーパーバイザーが世界を一周しなければならなかった。データセンターのコンプライアンスを専門とするマイクロソフトのスタッフは、多くの時間を移動に費やし、しばしば監査人と一緒に、実際の監査の準備や手助けを行っていた」

既にマイクロソフトは、出張の負担を減らし、スタッフのワークライフバランスを向上させる方法を模索していましたが、そんな中Covid-19が発生し、出張が出来なくなり、そしてデータセンターへの訪問も制限されました。

HoloLensは複合現実デバイスで、リモートの映像に図表やテキスト、ガイド、画像などの注釈を重ね合わせて表示します。また、スピーカーやマイクも搭載されているため、実際の現場にいる他のスタッフと会話をすることも可能です。

現場のスタッフがこのデバイスを装着し、遠隔地にいる専門家が、装着者が見ているものをリアルタイムで直接見て、世界のどこからでも複合現実の3Dアノテーションのサポートを提供することができます。

このデバイスがなければ、遠隔地での監査のためには、データセンターのスタッフは、データセンターのあらゆる機能や特徴を示すビデオ映像や写真などの資料を作成し、従来の方法で共有する必要がありました。また、物理的に安全な建物であることを確認するためには、ドアのロック機構のような細かい部分まで入念に記録し、監査員がチェックする必要があります。現場でHoloLensを装着したスタッフが手順を実演し、それを監査員が遠隔で見るという方法は作業をよりシンプルにします。

マイクロソフトDes Moinesデータセンターのデータセンタープロジェクトマネージャーのエリック・マカリスター氏は、次のように述べています。「カメラや携帯電話を持ってビデオを撮影する場合とは異なり、自分の視点を共有しながら、両手を自由に使って他のことができるのがいいですね。Dynamics 365 Remote AssistをHoloLens 2で使うことで、そのような自由が得られます」

事前にスクリプトを作成

リモート監査では、監査員がリアルタイムにリクエストを出すこともできますが、一般的には手順は事前にスクリプトが作成されます。シニア・プログラム・マネージャーのデニス・キング氏は、次のように述べています。「コンプライアンスの世界では、一貫性という言葉が一番よく使われる。規則的なやり方を確立できれば、Covid-19の制限が解除された後でも、リモート監査が主流になる可能性が高くなる」

「 我々は皆HoloLens 2でのDynamics 365 リモートアシストは素晴らしいと思っていたし、誰もが使いたいと思っていた」シニアプログラムマネージャーのリー・モスカル氏はこのように言います。「しかし、監査人の賛同が得られなければ、このアプローチはうまくいかないことが分かった。監査を行う際、彼らはプロとしての評価がかかっているのです。そこで、我々は監査人と協力して、遠隔地での監査に最適な方法を検討した」

もちろん、コンプライアンス監査のために、マイクロソフトはHoloLens自体がセキュリティチェックに合格し、データセンター内の機密エリアで使用できることを確認する必要がありました。マイクロソフトCloud Operations & Innovation部門のビジネスプログラムマネージャーであるローラ・ライリー氏は、次のように述べています。「当社のセキュリティチームは、HoloLens 2を10項目の徹底したセキュリティチェックリストに通し、そしてそれを「ゼロトラストデバイス」であると判断した。これは、プロジェクトを成功させ、監査人が我々のプロセスを信頼する上で極めて重要なことであった」

マイクロソフトは、このプロジェクトにより、監査のライフサイクル時間とコストが削減され、出張に伴う二酸化炭素排出量も削減され、従業員のワークライフバランスも回復したと報告しています。

Data Center Dynamics

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