リモート管理が真価を発揮【特集】

以前からリモート管理はデータセンターにとって良いアイデアでした。しかし今、必要性が更に増しています

データセンターをリモートで管理するということは常に理にかなっています。多くの場合、施設は交通不便な場所にあり、エンジニアを現場に派遣する代わりに、リモートで問題を修正する方が迅速かつ安価です。

極端な場合、実質的な運用スタッフが活動しなくてもデータセンターを運用することは可能です。(いわゆる ライトアウト施設 )しかし、現実はしばしばそうではありません。一方で、遠隔制御ツールは、統合が難しい場合があります。更にいうと、コロケーション事業者や利用顧客は、リモート管理システムをあまり信頼しておらず、IT機器に直接触れるのを好んでいました。

しかし2020年、すべてが変化しました。これは必要なことです。私たちが取材に行こうとしても、世界の多くがロックダウン状態になり、移動制限が課されました。データセンターへの入館は厄介ですが、デジタルインフラは経済に不可欠であるため、データセンターの運用スタッフは「必須」であると分類され、移動制限対象から除外されていました。しかし、Uptime Instituteのデータセンターの信頼性の専門家は、施設への訪問は最小限に抑える必要があるとアドバイスしています。

コロケーション施設では、顧客はサイトへの訪問回数を少なくしなければならない、また運用スタッフのアクセスも制限し、非常に注意深く対処する必要がある、とUptime社SVPのFred Dickerman氏は言います。「チームが現場に出入りするときは、遠くから、または電話でハンドオーバーする必要がある。」

3月、コロケーション大手のエクイニクスはロックダウンに対応し、データセンターへの顧客のアクセスを厳しく制限しました。訪問者、顧客、請負業者、および重要ではないエクイニクスのスタッフは、フランス、ドイツ、イタリア、スペインのエクイニクスIBX施設への入館を禁止され、その他の国では事前予約制に移行しました。

この動きは、過去にめったに使用されなかったり、あるいは不完全に実装された可能性があるリモート管理機能に厳しい要件を課しました。データセンターインフラストラクチャ管理( DCIM )やサービス管理( SM)製品は、完全なるソリューションとして提供されているにも関わらず、多くの場合、そのソリューションは部門あるいは誰かによって裏切られ、成功させるには慎重な導入が必要でした。

しかし、新型コロナ危機が発生したとき、完全に機能するシステムを持ち、そのツールを活用する文化を持っていた企業は、危機への対処において先陣を切っていました。

世界が変わったとき~QTSの事例

QTS Data CentersのCTOであるBrent Bensten氏は幸運だったと自負しています。同社は、小規模から大規模までの様々な企業顧客がいますが、2015年に買収したCarpathia Hostingが開発したサービスデリバリープラットフォーム(SDP)を持っていました。

ロックダウンは顧客の行動に大きな変化をもたらしたと彼は言います。SDPへのログイン数は制限の最初の3週間で30%増加し、トップユーザはシステムの利用時間を36分から62分へと倍増させました。

同じ期間中、顧客のオンサイト訪問は依然として受け入れられていましたが、訪問数はSDPのトラフィック増加と同じ割合で減少しました。「もし必要なら訪問して欲しい。」とBensten氏は4月の時点で私たちに言っていました。「しかし、Covid-19はツールを使用するのに最適なケースであったためか、顧客は通常現場で行っていたことをリモートで行った。」

顧客属性と導入段階に応じて、サイトごとに訪問者の数は大幅に異なるため、統計は緻密です。QTS最大のサイトであるアトランタは1か月で400〜700人の訪問者数でしたが、以前と比較すると、約40%ほど減少したと彼は見積もっています。

もし顧客が「不要な訪問はリスクである」と考えていたとすると、ツールがこの結果に寄与した可能性があります。「どのサイトでも厳格な拒否を行う必要はなかった。我々は訪問者にどこにいたかの開示を求めた、生体認証を使用し、彼らが物に触れたら消毒していた。」

顧客訪問数の減少は、データセンターハードウェアの稼働率に顕著に影響します。「我々の統計によると、電力消費は増加し、帯域幅も大幅に増加した。」

Bensten氏は次のように述べています。「QTSはフル機能のSDPを備えていた点で幸運だった。「 データセンター に行かなくても、データセンターで必要なものを手に入れることができるというニーズは非常に高い。このシステムは、QTSと連携するための単一の方法であり、サービス導入にいたる全ての方法です。ツールはiPhone、ポータル、あるいは API 経由で利用でき、ツール上ですべてを行うことができる。」

その範囲は重要です。クラウドスタートアップのような中小企業は、アプリをすばやく確認するだけでよいのに対し、大規模ハイパースケーラーは、プログラムによるアクセスを最大限に活用するためのリソースを持っています。「それぞれの方法は全く異なる。1~2架のラック利用ユーザはiPhoneアプリを利用する。しかし、1MW規模の容量を持つ大規模なハイパースケーラーは、APIを介して共有されたデータに基づき、負荷を移動してエネルギー消費をより抑え、サービスを確実に維持している。旧い世界では、彼らは同じ事を実現するのに現場に行く必要があったでしょう。」

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テクノロジーに精通した大企業がリモートでの使用に簡単に適応できると考えるかもしれませんが、実際はそうではないとBensten氏は言います。「訪問数の減少は、企業や政府機関を含み、あらゆる規模の顧客全体で起きている。」

SDPを使ったリモート確認は、より多くのデータにアクセスできるため、実際にはサイトへ訪問した場合よりも効果的だと彼は言います。「我々は、顧客スペースにある数百万のセンサーから収集したデータに基づき、長年にわたって構築された大規模なデータレイクを持っている。」

また、システムには気象パターンなどのより幅広いデータも含まれ、データセンター内の「気象」を効果的に確認できます。「我々は高度な分析を行うデータサイエンティスト・チームを抱え、7日間隔で電力消費量を管理し、将来の傾向を予測している。また、 データレイク は弊社に加え利用顧客でも採掘できる。」

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