新型コロナはデータセンタービジネスをどのように変えたか【特集】

データセンター業界は上手く適応し、そして多くはコロナ禍の中、成長した

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「私の過去の経験の中で、サプライ品洗浄用品のサプライチェーンが業務に絶対的に重要になるとは考えたこともなかった」 Digital Realtyのプロキュアメント部門責任者であるBrent Shinall氏は、7月のに開催したDCDオンラインイベントの基調講演で、Covid-19パンデミックが同社や データセンター 業界にもたらした変化について説明しました。

その変化はどれくらい大きかったのでしょうか?

Covid-19パンデミックは、私たちの価値観の多くを変えました。清掃業者やデリバリースタッフはマネージャーよりも重要になりました。ミーティングは危険になりました。移動や出張は私たちが避けようとするリスクです。そして、デジタルインフラもその一部です。

オンライン生活の実現

データセンターはデジタルコマースやオンライン会議を可能にし、デジタルインフラはかつてないほど重要度を増しています。これは、データセンターの世界に達成感をもたらし、デジタルビジネスの成長は担保されました。

しかし、ロックダウンは世界経済を衰退させました。データセンターはエコシステムの一部であり、サービス料金を支払う顧客をサポートしています。例えば、エンターテインメント産業や接客産業など、一部の業界は他業界よりも大きな打撃を受けており、一部のデータセンターはその影響を受けるでしょう。

一部の企業は、支払いに問題が生じる可能性のある顧客への対応の準備をしていると報告しています。テナントがオンラインサービスのロックダウンで活況を呈しているとしても、長期的な問題が発生する可能性があります。Zoomは利益を上げていますが、顧客単位では、損失を計上している企業もいます。

また、データセンター集約などのエンタープライズ系の活動が保留されているといった声もあります。サーバの物理的な移動、ビルの閉鎖、新たなスペースの開放については、新型コロナの状況下では非常に複雑となっています。

企業合併や買収はデータセンターの建設とともに進行していますが、その多くはロックダウン以前に進められていたものであり、明らかに物理的活動が困難な状況下ではデューデリジェンスのプロセスが遅れる可能性があります。

これらの複雑な要素を考えると、データセンターや業界内の企業が、サービスの維持や、スタッフの雇用維持で政府のサポートを与えられたのは当然のことです。

重要なスタッフ

それらのスタッフは確かに献身的であり、事業者は伝えるべきストーリーを持っています。DataGrydの最高経営責任者であるトム・ブラウン氏は、感染者が多いニューヨーク市の道徳意識は高いと述べています。「私自身、健康上の問題がないことは感謝している。また、全ての従業員と請負業者の健康維持を願っている」

Stack Infrastructureは、約100名の技術スタッフを擁する複数の ハイパースケールデータセンター を運営しています。最高責任者のマイク・ケイシー氏は、スタッフはエッセンシャルワーカーであり、「 Stackチームの全員は他の誰よりもはるかに重要」と語っています。

幸いなことに、データセンターは労働形態を適応させることができました。DataGrydは独自の「ミニロックダウン(3月13日~)」を導入し、オンサイトのスタッフを減らし、リモートで実行できない作業のみ顧客やサイトスタッフに入館許可を与えました。「エンジニアはより長い軽負荷シフト、あるいはより多くのローテーションをこなしている」

スタッフの移動についても変更する必要がありました。「良いニュースとして、ニューヨークに住んでいるスタッフに、あまり移動しないよう厳格な指示を与えられたこと」とブラウン氏は言います。「車で移動する。駐車場は施設のすぐ隣にあるが、当然入館する必要があり、必要な作業を行ってから退館しなければならない。しかしそれに固執する必要はありません。」

そこでリモート管理( DCIM )ツールが助けになった、と彼は付け加えます。「私たちはこのような状況に備え準備をしてきた、弊社はプロセスの多くを自動化できる管理システムを持っている。サーバの温度はリモートで確認できる。大きなスパイクの有無を確認できる。何らかのアラームがあっても、ノートパソコンや電話越しに作業ができる」

DataBank社CISOのMark Houpt氏は、自宅での作業は驚くほど簡単だったと語っています。「オンライン移行の効果には感動を覚えた。当初はVPNのようなシステムやトラフィックの維持性能について懸念していた。ストレステストを実施したが、これまでのところ問題は発生していない」

DataFoundry社COOのCameron Wynne氏は、次のように述べています。「私たちは、あらゆる物理的な作業に対し、リモートで実行できるかを確認する必要があった。スタッフの健康維持のために、データセンターへの入館頻度を減らす必要があった。どうしても駐在する必要がある場合、スタッフは異なるオフィスで、ソーシャルディスタンスを保ちながら働いている」

サイト消毒

しかし、どうしてもリモートで実行できない作業もあります。現場にいる人は、スタッフが触れた可能性のある個所を除菌ウエットティッシュで、衛生状態を保っています。除菌用の紫外線照明に投資している一部の企業もあります。指紋認証の代わりに虹彩認証を使うことで、ハンズフリーの生体認証を実現できます。

データセンターは常に自然災害を乗り切るための事業継続性計画を行っていました、そしてStackはその計画をパンデミックに適応させた、とケイシー氏は言います。「私たちは重要な運用スタッフや顧客を保護するために変更を加えた。私たちは、人々のドア通過時の体温計測や、我々自身での清掃業務を増やしている。また、シフト制にはさまざまなルールを設けた。以前はシフトをオーバーラップさせていたが、ソーシャルディスタンスの個別シフトを維持するためにオーバーラップは廃止した」

– shutterstock

すべてがうまくいかず、1つのサイトでスタッフ全員を帰宅させなければならなくなった場合、Stackは米国の他の地域からバスや飛行機で移動させる計画を立てています。

コロケーション事業者NYIのCOO Phillip Koblence氏は、それはコミュニケーションと実際のサポートにかかっていると考えています。「Covid-19のケースでもハリケーン・サンディのケースでも、私が分かった事の1つは、コミュニケーションが鍵であるということ。したがい、誰が誰を探しているかをスタッフが認識しているか?を確認することが重要です」

自衛本能がある中でも、重要なサービスが彼らに依存していることを運用スタッフは知っています。警察官や消防士などと同様、彼らは緊急時に応じて動いているとKoblence氏は言います。「ハリケーンのような災害時、人々がうずくまっているときに、運用スタッフはデータセンターに駆けつけているんです」

DataFoundryのWynne氏はこれを繰り返します。「ハリケーンがヒューストンに上陸し、市民が避難している間にも、私たちはお客様と弊社の事業維持を確実にするために施設に向かいました」

しかし一部のスタッフはリスクを取ることはできません。DataFoundryは、安全でない業務に従事するスタッフに特別な「自宅待機資金」を設定しましたが、誰もそれも受け取らなかったとWynne氏は言います。「私たちは、各自それぞれに、もし在宅での作業ができす、入館ができなくてもペナルティ無しとしました」

「正直なところ、スタッフは全員仕事に来たかったのです。彼らはここにいたかった。彼らは生計を立てたいのです。周りには、職を失ったり、自宅待機を命じられたりし、家族を養えなくなった隣人が多くいます。そのこともあり、当社のスタッフは単に仕事に来るという選択をした訳です」

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