新型コロナはデータセンタービジネスをどのように変えたか【特集】

スタッフの移動についても変更する必要がありました。「良いニュースとして、ニューヨークに住んでいるスタッフに、あまり移動しないよう厳格な指示を与えられたこと」とブラウン氏は言います。「車で移動する。駐車場は施設のすぐ隣にあるが、当然入館する必要があり、必要な作業を行ってから退館しなければならない。しかしそれに固執する必要はありません。」

そこでリモート管理( DCIM )ツールが助けになった、と彼は付け加えます。「私たちはこのような状況に備え準備をしてきた、弊社はプロセスの多くを自動化できる管理システムを持っている。サーバの温度はリモートで確認できる。大きなスパイクの有無を確認できる。何らかのアラームがあっても、ノートパソコンや電話越しに作業ができる」

DataBank社CISOのMark Houpt氏は、自宅での作業は驚くほど簡単だったと語っています。「オンライン移行の効果には感動を覚えた。当初はVPNのようなシステムやトラフィックの維持性能について懸念していた。ストレステストを実施したが、これまでのところ問題は発生していない」

DataFoundry社COOのCameron Wynne氏は、次のように述べています。「私たちは、あらゆる物理的な作業に対し、リモートで実行できるかを確認する必要があった。スタッフの健康維持のために、データセンターへの入館頻度を減らす必要があった。どうしても駐在する必要がある場合、スタッフは異なるオフィスで、ソーシャルディスタンスを保ちながら働いている」

サイト消毒

しかし、どうしてもリモートで実行できない作業もあります。現場にいる人は、スタッフが触れた可能性のある個所を除菌ウエットティッシュで、衛生状態を保っています。除菌用の紫外線照明に投資している一部の企業もあります。指紋認証の代わりに虹彩認証を使うことで、ハンズフリーの生体認証を実現できます。

– shutterstock

データセンターは常に自然災害を乗り切るための事業継続性計画を行っていました、そしてStackはその計画をパンデミックに適応させた、とケイシー氏は言います。「私たちは重要な運用スタッフや顧客を保護するために変更を加えた。私たちは、人々のドア通過時の体温計測や、我々自身での清掃業務を増やしている。また、シフト制にはさまざまなルールを設けた。以前はシフトをオーバーラップさせていたが、ソーシャルディスタンスの個別シフトを維持するためにオーバーラップは廃止した」

すべてがうまくいかず、1つのサイトでスタッフ全員を帰宅させなければならなくなった場合、Stackは米国の他の地域からバスや飛行機で移動させる計画を立てています。

コロケーション事業者NYIのCOO Phillip Koblence氏は、それはコミュニケーションと実際のサポートにかかっていると考えています。「Covid-19のケースでもハリケーン・サンディのケースでも、私が分かった事の1つは、コミュニケーションが鍵であるということ。したがい、誰が誰を探しているかをスタッフが認識しているか?を確認することが重要です」

自衛本能がある中でも、重要なサービスが彼らに依存していることを運用スタッフは知っています。警察官や消防士などと同様、彼らは緊急時に応じて動いているとKoblence氏は言います。「ハリケーンのような災害時、人々がうずくまっているときに、運用スタッフはデータセンターに駆けつけているんです」

DataFoundryのWynne氏はこれを繰り返します。「ハリケーンがヒューストンに上陸し、市民が避難している間にも、私たちはお客様と弊社の事業維持を確実にするために施設に向かいました」

しかし一部のスタッフはリスクを取ることはできません。DataFoundryは、安全でない業務に従事するスタッフに特別な「自宅待機資金」を設定しましたが、誰もそれも受け取らなかったとWynne氏は言います。「私たちは、各自それぞれに、もし在宅での作業ができす、入館ができなくてもペナルティ無しとしました」

「正直なところ、スタッフは全員仕事に来たかったのです。彼らはここにいたかった。彼らは生計を立てたいのです。周りには、職を失ったり、自宅待機を命じられたりし、家族を養えなくなった隣人が多くいます。そのこともあり、当社のスタッフは単に仕事に来るという選択をした訳です」

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