アマゾン、低照度太陽光発電のAmbient Photonics社に出資

使い捨て電池の代替とIoT機器への電力供給を目指すソーラー企業

低照度太陽光発電のスタートアップAmbient Photonics社(以下アンビエント)は、アマゾンを含む投資家らから3000万ドルを超える資金を調達しました。

同社は今週、3100万ドルのシリーズA資金を調達したと発表した。これはアマゾンがClimate Pledge FundとEcosystem Integrity Fund(EIF)を通じて主導し、元Nest CEOのTony Fadell氏のFuture ShapeとI Squared Capitalも参加しました、

2019年にカリフォルニア州で設立されたアンビエントは、人工光と自然光の両方を含む光スペクトル全体にわたりエネルギーを収穫できるとする低照度エネルギーハーベスティング太陽電池(PV)技術を開発しています。IoTタイプのユースケースをターゲットにしており、使い捨ての電池の置き換えを目指しています。

アンビエントは、今回の資金調達により、米国に「世界最大」の低照度太陽電池生産施設を建設するとしています。同社は、この施設の完全自動化された生産ラインと年間数千万個の生産能力により、アンビエントの太陽電池を大量に市場に導入するための規模を拡大することができると述べています。

アンビエントのCEOであるベイツ・マーシャル氏は、「IoTと接続機器の未来はエナジーハーベスティング(環境発電)であり、その未来には大規模なスケールが必要」と述べています。「今回の資金調達により、当社は業界をリードする技術を、世界で最も生産量の多いIoT機器メーカーに提供し、脱炭素化に大きな影響を与えることができる。私たちは、より持続可能なエネルギー源から一から設計された製品で、全く新しい可能性を切り開いていく」

また、EIFのパートナーであるサシャ・ブラウン氏は、次のようにコメントしています。「EIFは、業界のリーダーが持続可能性やビジネスの難しい問題を大規模に解決できるようなイノベーションに投資している。アンビエントは、家電、スマートホーム、IoTなどの世界的な成長産業において、より持続可能なシステムの触媒となる可能性を持っていると考えている。アンビエントの技術は、これらの機器にクリーンな再生可能エネルギーでコスト効率よく電力を供給する、初の実用的なソリューションを提供している」

アンビエントの技術は、もともとワーナー・バブコック・グリーンケミストリー研究所で開発されたものです。Cthulhu Ventures LLCは、設立当初から同社に投資をしています。

アンビエントは、米国エネルギー省(DOE)のタイトルXVII融資保証プログラムによる1億6200万ドルの融資保証のためのパートII申請も引き続き進めるとしています。

アマゾンのThe Climate Pledge Fundのディレクターであるマット・ピーターソン氏は、津語のように述べています。「使い捨て電池は、消費者にとって不便であると同時に、重大な環境問題でもある。我々は、The Climate Pledge Fundを通じて、アンビエントに投資し、あらゆる業界のバッテリー駆動機器の二酸化炭素排出量を削減する革新的なソリューションの創出に向けた道を支援できることを嬉しく思っている」

「IoTセンサーはどこにでもある。そして、それぞれが電池を使い、交換され、有毒なゴミとなる」と話すのはNestの創業者で『Build』の著者であるTony Fadell氏。「アンビエント・フォトニクスの革命的な低照度太陽電池は、バッテリーレスの無線IoTネットワークという”聖杯”に手が届くところまで来ている」

AmazonのCarbon Pledgeファンドによるその他の投資先には、アンモニア発電のAmogy、カーボンネガティブセメントのBrimstoneやCabonCure、バッテリー企業のIon EnergyとRedwood Materialsなどがあります。

アマゾン初のオーストラリア太陽光発電プロジェクトが始動

今週、アマゾンはオーストラリアで最初の太陽光発電所プロジェクトが稼動を開始したことを発表しました。

アマゾンは、オーストラリアにある3つのユーティリティスケールの再生可能プロジェクトで、合計262MWのクリーンエネルギー容量を計画していると発表していますが、現在そのうち2つのプロジェクトが稼動しています。

60MW規模の「Amazon Solar Farm Australia – Gunnedah」、そして105MW規模の「Amazon Solar Farm Australia – Suntop」は、いずれもニューサウスウェールズ州に位置しています。ビクトリア州の96.6MW規模の「Amazon Wind Farm Australia – Hawkesdale」は現在も開発中です。

また、同社のメルボルンとシドニーの施設では、合計で約0.5MWのサイト内太陽光発電能力を有しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。