AMD、データセンター用のRadeon GPUを発表
今後予定されている7nmのCPUはすべてTSMC製の予定
VMworld 2018で、チップメーカー企業AMDは、データセンターの視覚化ワークロード用の新しいフラッグシップデュアル GPU 、Radeon Pro V340を、2018年の第4四半期にリリースすることを発表しました。
AMDは同時に、今後7nmプロセッサ製造は全てTSMCに依頼すると発表しました。AMDの長年の製造パートナーであったGlobalFoundries社(以下、GF)が、7nmプロセッサと従来のCPU製造の両方をやめて、より収益性の高いオペレーションに集中する戦略的シフトを明らかにしたためです。
仮想化GPU
Radeon Pro V340は、AMDの14nm Vegaアーキテクチャを使用して設計されました。AMD独自のMxGPUテクノロジによってハードウェアベースのGPU仮想化が可能になります。この製品は、1GBのメモリを搭載した仮想マシンを32台までサポートしており、競合他社よりも33%も多い(Nvidia Tesla P40は最大24台の1GB VMをサポート)とAMDはコメントしています。
「新しいRadeon Pro Vシリーズの主力製品として、Radeon Pro V340グラフィックカードは高度なセキュリティ機能を採用しました。これにより、データセンターの現代的な視覚化ワークロードをコスト効率よく提供し、加速化を支援します」とAMDのRadeon Proの総責任者、O・Brkic氏はコメントしています。
VMwareのプロダクトマーケティング担当ディレクター、S・D’Paiva氏は次のように付け加えました。「AMD Radeon Pro V340グラフィックスカードにより、、グラフィック要求の最も厳しいアプリケーションに対して、デスクトップとアプリケーション仮想化を安全に活用することができます。Radeon Pro for VMwareを使用すれば、VDI環境の設定が簡単になり、既存の仮想マシンへの仮想GPUの迅速な導入、2、3回クリックするだけで数百人の専門職を有効にすることができます」
デュアルGPUシステムの熱設計電力( TDP )は300Wですが、プレスリリースによれば、受動冷却も可能です。
将来
将来的には、AMDはチップ領域においては7nmにシフトする計画です。最初は、今年後半の7nm機械学習Radeon Instinct GPUから、2019年には次世代EpycサーバCPUにソフトしていきます。
Intelとは異なり、AMDは独自のプロセッサを実際に製造していません。Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(以下、TSMC)やGFのようなパートナー企業に製品の製造を委託しています。7nmに関しては、GFがこの市場からの撤退することになりましたから、今後はTSMCだけに委託することになります。
GFの7nm FinFETプログラムは現在「無期限に保留」中です ー 「人員削減5%」の必要性が理由のようですが ー 14nm/12nm FinFETプログラムの改善に注力する計画です。
「現代の工場を持たない顧客のほとんどは、各テクノロジ・ノードの設計に必要な多額の投資を活用するために、各テクノロジ・ジェネレーションの価値を高めることを目指しています」と、新CEOのT・Caufield氏は述べています。
「本質的に、これらのノードは、アプリケーションの複数の波に対応する設計プラットフォームに移行しており、各ノードに長生きさせています。この業界のダイナミクスは、 ムーアの法則 の外的制限化による工場を持たない顧客の数が減少する結果になりました。我々はリソースと焦点をシフトしています。我々のポートフォリオ全体に渡って差別化されたテクノロジーへの投資を倍増させています。これは、市場セグメントの拡大に伴い、顧客にとって最も関連性の高い領域です。
Anandtechに関して言うと、CTOのG・Patton氏は、この動きは技術的な問題とは関係なく、むしろ市場の力と関係していると主張しました。GFは、UAEアラブ首長国連邦の政府系投資ファンドのムバダラ・インベストメント・カンパニーの傘下です。この投資会社は、今年初めに利益の拡大に焦点を当てることを明らかにしました。
ムバダラのCEO、Mubarak氏は、5月にブルームバーグに次のように語っています。「私たちの投資の文化、私たりが関わってきた文化は、資産の蓄積と、ただ、それを維持することでした。この2、3年の間に起こった変化は、私が今日のムバダラを追い込もうとしてきたことですが、理に適った戦略の近代化です。売却見込みではなく、再投資の見込みです」
同社はまた、小規模ノードへのアクセスが必要な ASIC 部門を切り離し、7nmとそれ以降は「代替工場オプション」を使用できるようになる予定です。おそらく、これは競合する工場からになるでしょう。
AMDとGFは、2016年に5年間の半導体基板供給契約を締結し、AMDがGFに一定数の基板を発注することを約束しました。それが再交渉になるかは明らかではありませんが、AMDは14nmおよび12nm製品にGFを引き続き使用します。
7nmについては、AMDのビジネスは全てTSMCに発注する予定です。「当社は今年後半にリリース予定の7nm GPU、2019年にリリース予定の7nmサーバCPUをはじめ、TSMCで複数の7nm製品をすでに生産しています」と、CTOのM・Papermaster氏は述べています。「このような変更があったからと言って、製品ロードマップの変更は起こりません」
– Data Center Dynamics
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