データセンターを利用した「クライメイト・ニュートラル」な街づくり
データセンターで出た熱を HVAC へ再利用するなど、データセンターと周辺地域の連携/エコシステム作りの取り組みが年々増加しています。
北欧ではその動きが顕著で、デンマークのデータセンターハブでも、同様の取り組みが期待されていますが、Appleなどいわゆる ハイパースケールデータセンター の建設をしている企業達は、そのエコシステムに貢献するには至っていないようです。デンマークのエンジニアリング出版社「Ingeniøren」が述べました。
デンマークでは6つのデータセンターが建設されています。そのうち、Facebookは、データセンターを地域のエコシステムにうまく貢献させようと、データセンターによって排出された熱を再利用して水を温め、さらにヒートポンプを利用して温めた水を、地元企業Fjernvarme Fyn社の暖房システムへと提供することで、化石燃料ではなく再生可能な電源を供給する予定です。しかし、Facebook社以外の企業による取り組みはまだ見られません。
Facebook社は最近も、デンマーク(Esbjerg)に第2のデータセンターを建設すると発表しましたが、この設備では熱再利用システムを導入するかどうかはまだわかっていません。
Facebook、データセンター排熱を再利用:デンマーク
おいしいところだけ
Facebook社以外の企業たちは、都市から離れた遠隔地を、新しいデータセンター建設地として選択しました。
遠隔地からでは、地域暖房システムへ接続するための設備を作るのに費用がかかるため、おそらく暖房システムへの貢献をすることは難しいが不可能ではないとSocial Democrats MPのJens Joel氏は語ります。
デンマークのシンクタンクに勤め、 クライメイト・ニュートラル の提唱者であるクリスチャン・イプセン氏は、Appleなどの企業によるデンマークへの投資には肯定的な反面、
「データセンター事業者たちは、デンマークのエネルギー消費量を著しく増やしています。私たちはデータセンター事業者が、グリーンエネルギーのみを使用して電気を生み出し、その後、熱として排出されたエネルギーを温暖システムなどへ再利用することで化石燃料に取って代わらせるような仕組みを作らなくてはならないのです」と述べました。
デンマークは、その高度なグリーンエネルギー技術やコスト削減、省エネルギー実現などの理由から、データセンター建設の選定地として選ばれることが多いのですが、データセンター事業者が再生可能エネルギー技術発展に貢献するような仕組み(法的義務)は整備できていないのが現状です。
しかし、ストックホルムのような他の北欧都市の例からも、適切な条件下で仕組みが作れれば、データセンターも再生可能資源として使えることははっきりしています。
デジタルインフラストラクチャーと都市環境の相互作用、そしてデータセンターをエネルギーネットワークに統合する方法は、先週のDCD>ロンドンイベントでの会話の話題でした。
来年は、ストックホルムでのEnergy Smartイベントの中心トピックとなります。詳細については、こちらをクリックしてください。
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