DigitalOcean、クラウドコンピューティングとAIのスタートアップPaperspaceを1億1100万ドルで買収

クラウド・ホスティング事業を展開するDigitalOceanは、人工知能(AI)とクラウド・コンピューティングのスタートアップであるPaperspaceを1億1100万ドルで買収しました。

2014年に設立され、ニューヨークを拠点に展開するPaperspace社は、カスタム構成のGPUを備えた3つのデータセンターリージョンを運営しています。 2016年、同社はCOLOpeople社と提携し、CoreSiteのニューヨークとサンタクララのキャンパス内にデータセンターの展開を完了したと発表しました。 また同社はオランダのアムステルダムにもリージョンを構えています。

AIが主流になる中、同社はクラウド内でのAIモデルのトレーニング、開発、展開に特化したツール群をローンチしました。 なお同社はこれまでに、Battery Ventures、Intel Capital、SineWave Ventures、Sorenson Capitalなどの投資家から3500万ドルを調達してきました。

今回の買収により、DigitalOceanの利用顧客はAIアプリケーションをより簡単にテスト、開発、展開できるようになり、一方、Paperspaceの利用顧客はデータベース、ストレージ、ホスティングを含むDigitalOceanのクラウドサービスの恩恵を受けることになります。 両社が協力することで、中小企業にとってはより手頃な価格でAI・ML技術を利用できるようになります。

Paperspaceは当面、DigitalOcean内の独立した事業部門として存続し、買収がDigitalOceanの2023年の業績に与える影響は軽微とみられています。

Digital OceanのYancey Spruill CEOは次のように述べています
「我々は、簡素化されたAIと機械学習を提供することで、世界の中小規模(SMB)企業や スタートアップに合わせたポートフォリオを拡大できることをうれしく思う。 これらのサービスを組み合わせることで、顧客はアプリケーションの構築とビジネスの成長に集中することができ、インフラへの負担を軽減することができる。

「DigitalOceanは、複雑なクラウド技術を簡素化し、開発者や 企業にとってより利用しやすくすることで有名」とPaperspaceの共同設立者であるDillon Erb氏は述べています。
「私たちは、DigitalOceanと手を組むことに興奮しています。開発者と企業にとって、AIと機械学習の無限の可能性を解き放つのにこれ以上の会社はないと信じているからです」


AWSオラクルなど、大手のクラウドプロバイダーの一部はすでにAIサービスの提供や開発を行っています。 その他にも、オーストラリアのFirmus、Gcore、Lamda Labsなどのクラウドプロバイダーが同様のサービスを提供しています。

ガートナーは、AIへの関心の直接的な結果として、2023年のクラウドへの支出額は21.7%成長し、昨年の4,910億ドルに対して今年は6,000億ドル弱になるだろうと予測しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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