Google、傘下Deepmind社のAI技術を風力発電へ応用
機械学習を用いてデータセンターをより環境に優しいものにする
Googleの子会社でAI事業を行うDeepMindは、風力発電の生産量を予測する機械学習アルゴリズムを開発しました。この技術を使うことで、最大36時間の発電予測が可能となります。
予測技術は今のところ、米国にあるGoogleの自社データセンター、およびオフィス運営に使われる700MWもの風力発電容量に用いられます。
天候に左右される風力発電の弱みを克服
DeepMindのSims Witherspoon氏とGoogleのWill Fadrhonc氏はブログ上で、以下のようにコメントを残した。
「私たちは、これまで蓄積されてきた風力タービンのデータを活用してニューラルネットワークを強化してきました。今後、天候予測機能および36時間の風力発電量を予測できるDeepMindシステムを構築しました」
「Deepmindの発電予測機能を用いることで、一日のうちで毎時間ごとの電力供給をどのように行えば最適なものになるかを、前もって知らせてくれるます」
「自然エネルギーは供給量が天候に左右されやすい不安定なエネルギー源とみなされてきました。安定供給の見通しがたつエネルギー資源(設定された時間に設定された量の電気を供給できること)は、電力網においてより価値の高いものと考えられているため、今回の発表はとても重要です」
同社は、システムを使うことで風力エネルギーの効率性は約20%も高まったとと主張する一方で、アルゴリズムも改良し続ける必要があると語りました。DCDはDeepMindに対して、このアルゴリズムは米国以外の地域でも利用されるのか、同社がその技術をオープンソース化して広く公開するか、あるいは商業化する計画があるかどうかを尋ねてみましたが、明言することはありませんでした。
電力網の安定性向上に向けてアルゴリズムを開発するのは、Googleの代表的なアプローチの一つです。これまで、 空調に費やされる電力消費を抑えるために、冷却装置のファンや換気機能、その他の機器を最適な状態に保つためのアルゴリズムを開発してきました。(参照記事:「オッケーグーグル、データセンターを冷却して」)
2014年には、Googleは世界最大の民間核融合炉企業であるTAE Technologies(元Tri Alpha Energy)と提携を結び、電力供給領域における機械学習の活用を画策しました。それから3年が経過し、2社はプラズマ研究の速度を高めるOptometrist Algorithmを発表しています。
Googleの親会社Alphabetの研究部門であるXでは、電力貯蓄についての実験も行われています。Project Maltaと呼ばれるこのプロジェクトでは、溶融塩と不凍液を使用する、断続的な再生可能資源エネルギー貯蓄を目指しています。
– Data Center Dynamics
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