マイクロソフト、Project Natick水中データセンターの終了を明らかに
マイクロソフトはDCDに対し、Project Natick水中データセンターの取り組みを終了したことを明らかにしました。
この海底プロジェクトは数年間沈黙を守っていましたが、メディアや 他社からは継続的な取組みであるとして言及され続けていました。
「私は世界中のどこにも海底データセンターを建設していない」と、同社のクラウドオペレーション+イノベーション(CO+I)部門の責任者であるNoelle Walsh氏はDCDに対しコメントしました。
「私のチームはそれに取り組み、成功を収めた。海面下でのオペレーションや振動、サーバーへの影響について多くを学んだ。そこで、これらの学びを他のケースにも応用していくつもりだ」
同社は2013年にProject Natickを開始し、最終的に2018年にスコットランド沖にテスト用システムを配備しました。
我々は2021年にこのデータセンターの調査を行い、そこでマイクロソフトがどのような方法で855台のサーバーを沈め、25カ月と8日間にわたりそれらを放置し続けたかを学んだ。残りの135台のサーバーは、Microsoft Azureクラウドを稼働させるハードウェアと並行して、通常のデータセンターの2、3ラックで比較対照のために稼働させていた」
855台のサーバーのうち故障したのはわずか6台だったのに対し、陸地では135 台中8台であり、マイクロソフトはその要因として安定した外気温を挙げています。
もうひとつの理由としては、陸上のデータセンターでは活性酸素ガスが充満していたのに対し、データセンターでは不活性窒素ガスが充満していたことが挙げられています。
これがひとつの学習となり、マイクロソフトはロボットを使って人間のいないデータセンターを実現できるのではないかと尋ねると、Walsh氏は次のように答えました: 「我々は、新型サーバーの中には非常に重いものもあるという観点から、ロボット工学を検討している。人間がモノを押し動かすのに対し、どうすれば自動化できるの か?」
「我々はロボット工学について他業界から学んでいるが、同時に人間が必要であることも強く認識している。人々に自身の仕事を心配させたくないのです」
同社は2021年、水中データセンターに関する多くの特許をオープンソース化しました。
マイクロソフトは2019年に高圧データセンターの特許を、2017年に人工礁データセンターの特許を取得していますが、Walsh氏は、同社は増築であまりエキゾチックなことは考えていないと語りました。
「今はより焦点を絞っていると言える」と彼女は言います。私たちは研究開発を行い、いろいろなことを試してみたいと思っている。
しかし、今は非常に焦点を絞っていると言えるでしょう」
なお、このインタビューの全文は、今月末に発売されるDCDマガジンの次号に掲載される予定です。
マイクロソフトは別の声明で、DCDに次のように語っています。「現在、水中でのデータセンターはありませんが、データセンターの信頼性と持続可能性に関する新しいコンセプトを探求、テスト、検証するための研究プラットフォームとして、Project Natickを使用していきます。」
昨年、中国のHighlander社は、海南島沖に1,433トンの商用水中データセンターの展開を行いました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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